今年4月、岡山県美咲町の民家に放火した事件で岡山県警に逮捕された稲葉寛(56)、深町優将(53)両被告を中心とした放火による保険金詐欺グループが大きな注目を集めている。
6月にはつがる市の古民家への放火で青森県警が、9月には飛騨市の古民家への放火で岐阜県警が逮捕。元保険調査員の深町被告がノウハウを伝授し、稲葉被告が中心となり放火を実行。全国で、古い民家を安値で購入し、書類を偽造するなどして高額の保険金を詐取していた模様だ。
だが、これで驚いていてはいけない。
岡山の放火は2023年10月、青森は23年5月、岐阜は22年8月に起きたが、今年4月、北海道上富良野町の放火も彼らの購入した物件で、こちらでは焼死者が1名出ており、非現住建物等放火、詐欺に加え、今後は放火殺人も視野に入れ北海道警が逮捕に動くと見られるからだ。
「購入した物件は基本一軒家。それも周りに他の建物がないボロボロの物件。ただし、火災保険に入る際、保険調査員が人の有無も確認しに来るので、仲間に住んだフリをさせていた。亡くなった岡崎さん(72)は元証券マンだが、脳卒中の後遺症で片足が悪かった。逃げ遅れた可能性もあるが、いつ放火が実行されるか知っていたと思うんです。それに、発火装置を仕掛けての犯行と聞いているので、その通りなら逃げる時間は十分あるはずなのに……」(関係者)
いずれにしろ、人一人死んだとなれば、彼らの罪が格段に重くなるのは必至だろう。
実は本紙・山岡は、この放火の主犯と思われる稲葉被告に2、3度会っていた。2023年2~3月ごろ。むろん、取材目的は今回の放火の件ではない。
稲葉被告はカネに窮していたようで、それが今回犯行の動機になったのは事実であるようだ。むろん、だからと放火する理由になるわけもないが、本紙が稲葉被告に会ったのは、これまで順調だった生活が破綻したことにつき告発するためだった。
実は稲葉被告、ある汚職事件に関っていたのだ。



