慶応大学初医療ベンチャー「Heatseed」(219A。東証グロース。昨年7月上場。東京都港区)の株価が急落した。9月30日(火曜)、デンマークに本社を置く世界有数のヘルスケア企業ノボノルディスクとの提携解消が明らかになったためだ。提携解消は致し方なく、よくあることだ。問題は9月26日(金)、27日(土)に開催された「日経・東証IRフェア」でノボ社とのライセンス契約の将来性について、株式評論家との対談で楽観的見通しを説明していたことだ。参加して期待した投資家の中には、週明けの29日(月)にHeatseed株を買った人もいたかも知れない。突然のことなので、会社側に非はないが、タイミングからみてIRフェアでは隠していたのでは、と疑われても仕方ない。
さて、半導体初め大型株が堅調なのに対し、ハコモノ仕手株は散々だ。IRを出しても反応しなくなって来た。権利行使価格がかなり低く設定された新株予約権を発行して即、株式に転換して大量売却するようでは信用がなくなる。発行体、引受人による自作自演のマネー製造機でしかない。それも本業とは関係ない暗号資産に関するものばかりだ(三崎優太氏ら引き受けの「エス・サイエンス」(5721。東証スタンダード。東京都中央区)など典型)。これらのいくつかの動きは後述。



