筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。
女優のクラウディア・カルディナーレ(1939生)が亡くなった。前回がロバート・レッドフォードの訃報を受けての60~70年代の色男俳優の思い出だったので、今度はカルディナーレの訃報を受けての色女女優で行こうといろいろ振り返ってみると…60~70年代は圧倒的にイタリア&フランス女優全盛時代だったことが分かった。当時は、イタリア三大女優といったらカルディナーレ、ソフィア・ローレン、シルヴァーナ・マンガーノ。フランス三大女優といったら、ジャンヌ・モロー、カトリーヌ・ドヌーヴ、ブリジッド・バルドーか。これだけでも迫力満点の顔ぶれだ。
ところで、こちとら小学~中学の頃は、洋画といったら戦争、西部劇、怪奇恐怖、スパイアクションと、男中心の世界だったもんで、あんまし女優に関心がなかった。そんななかで、魅入られたイタリア女優がいたんだ。
その名はロレダーナ・ヌシアク。といってもほとんどの人は「誰それ?」だろう。自分だってすぐ忘れてしまうくらいだ。映画は『続・荒野の用心棒』(66年。セルジオ・コルブッチ監督)。個人的にはマカロニ・ウエスタンのベスト、「ジャンゴ」のテーマは映画音楽のベスト、主役のフランコ・ネロのガトリングガン(機関銃)撃ちまくりは銃撃シーンのベストと、伝説的傑作なんだけど、ヒロイン役のロレダーナ・ヌシアクは、B級のカルディナーラって感じで、ディープな世界にバッチリはまっていた。今観直してもやっぱり良い。



