この疑惑の入札があったのは2008年4月28日と随分前のことだ。そして、地方都市ではこうした“不正”は未だ決してめずらしいことではないとも。しかし最近になり、市がこの疑惑の隠ぺいに動いたとしか思えない文書の存在が明らかとなり、本紙への情報提供者は近々にこの件で警察ないし検察に告発するそうで事件化の可能性さえ出て来た。
いずれにしろ、この手の不正疑惑はほとんどは泣き寝入りで、声を上げる者は極めて少なく、注目しないわけにはいかない。
しかも今回取り上げる茨城県神栖市(右下左側写真は石田進市長)のこのケースは、その真相究明を警察まで介入させ妨害した疑惑もあり、事はなおさら深刻なのだ。不正までして市が特別養護老人ホーム(特養)の経営を懇意な業者に落札させたとして、本来、それを取り締まらなければならない“暴力性”を持つ警察が、不正側に味方して、真相究明を阻止したらこの世は闇ではないか。
こうした警察の疑惑は、本紙がスラップ(嫌がらせ)訴訟を7件も起こされても徹底追及している大阪のお寺「正圓寺」の乗っ取り疑惑を巡っても浮上していることで、あってはならないことだ。
というわけで、以下、解説する(*すでに本紙YouTube版では概要を配信中。無料)。
まずは、冒頭に掲げた「各委員の合計点」を見ていただきたい。
特養の経営を誰に任せるのかの入札には「まごころ会」と「梅寿会」の2者が手を上げ、10人の委員が点数を付け、9・6点の僅差で梅寿会が落札した。
だが、この各委員の合計点をよく見ると、10人中の下の3名の民間委員が梅寿会に極めて偏った高得点を付けていることがわかる。
上の7人の委員だけだと、まごころ会の方が計35・15点も上回っていたのだ。ところが、3人だけで梅寿会の方に44・75点も高く付けたから、僅差で逆転したわけだ。
これだけでも十分に怪しいが、この3人の委員の細かい個別点数「施設設備予定者選定評価表」を見るとほとんど疑惑は確信に変わる(以下に転載)。
なお、この評価表は本来表に出ないものだ。
だが、不正を追及する者の執念の結果、入手したものだ。



