手元にA4用紙4枚で綴られた「告発状」がある。
被告発人は茨城県神栖市の石田進市長(冒頭写真。65)。告発人は千葉県銚子市在住のS・K氏で、同氏の代理人・海渡雄一弁護士が水戸地裁に提出(今年5月17日)したものだ。ちなみに、海渡弁護士の妻は福島瑞穂参議院議員(社民党党首)。
つまり、一般市民(銚子市と神栖市は隣接)が、神栖市長を告発したのだから穏やかではない。いったい、何があったのか?
その前に、石田氏の簡単な経歴を述べておく。
銚子商業高校、東海大学政治経済学部卒(1981年)。
2003年4月に地元の波崎町議1期(任期途中で神栖市に合併)。
2007年1月、茨城県会議員当選。以降、3期務める。
2017年12月、神栖市長に当選。現在2期目。
さて、告発状によると、石田氏は2期目を目指した2021年11月の市長選(2021年10月31日公示、11月7日投開票)を前にして、地元の有力者(重機会社経営)のA氏に資金援助を申し入れた。これを受けてA氏は12人に寄付を依頼。12人は総額1740万円を石田氏に寄付したという。
確かに、石田進後援会の収支報告書には12人の寄付金が記載されている(21年5月~10月。以下の有料記事部分に収支報告書の該当部分を転載)。しかし、これにはカラクリがある、と前出・告発人S氏は指摘する。これについては後で詳しく述べるが、代理人の海渡弁護士は先の行為が事実ならば、公務員が賄賂を収受したり、要求する単純収賄罪(刑法197条1項前段)に該当するという(告発状より)。
この疑惑が発覚したのは、告発人S氏が石田氏の収支報告書の内容を見て、極めて不可解であることに気づいたからだ。