本紙は3月27日、「ヒップスタイルホールディングス」(横浜市西区)なる会社の平田恭平代表個人が、「イー・ロジット」(9327。東証スタンダード。東京都千代田区。児玉和宏代表取締役会長=冒頭写真)の筆頭株主だった「豊田Holdings」(東京都港区。豊田浩之代表=右下写真)の持つ新株予約権の一部譲渡を実質受け、行使し、約1億1000万円の資金をイー・ロジットに入れたにも拘わらず、豊田Holdingsが新株予約権譲渡(61万1200株。5・68%)のハンコを押さない不法行為をスッパ抜いた。
確かに豊田Holdingsの豊田代表はトヨタ自動車創業一族なのだが、同社にこれという事業も資産もなく、創業一族という信用だけであちこちから資金を引っ張り、イー・ロジットの筆頭株主(約25・7%)になるための約3億1000万円中3億円も借入だった。そのため、資金不足で新株予約権を行使する余裕がなかった。
ところが、イー・ロジット自体が3月10日までに資金を入れないと資金ショートしかねない状態だったことから、イー・ロジット創業者で元代表取締役会長の角田亮一取締役が仲立ちし平田代表を繋いだ。しかも急な依頼で、新株予約権譲渡の手続きの時間的猶予がなかったことから、3月8日付で、株券に譲渡担保契約を付けるというリスクまで取り、いわば男気で資金を出してあげたという。
ところが、そこまでしてあげたのに、豊田代表は逃げ回り新株予約権譲渡のハンコを押さない。その理由が、筆頭株主の地位を守るため、「基準日(3月27日)をまたぐため」だったことも前回記事で述べた。 そうした事実が、3月27日午前4時10分に本紙記事で出るや、豊田代表はこれまでの態度を翻し、同日中にハンコを押し、ヒップスタイルの平田代表は基準日における株主の地位と権利を確保出来たそうだ。
それは結構なことだが、しかし、本紙としては看過できないことが生じた。
豊田Holdings側はハンコを押す条件として、本紙アクセスジャーナル記事の削除のために協力するとの「誓約書」への押印をヒップスタイル側に迫り、そして不本意ながらもヒップスタイル側は押印したというのだ。
「当初、その誓約書には、ヒップスタイル側が協力しなかったら100万円支払うとの記述があった。さすがにヒップスタイル側も“そもそも削除に協力する理由がない”と抗議し、100万円の記載は削除されたそうです」(事情通)
それを伝え聞いた本紙としては、これは「報道の自由」に対する重大な侵害以外の何物でもない、ということで、さらに取材を進めたところ、何とイー・ロジット自体も、この豊田Holdingsの不法行為に加担していた重大疑惑が浮上して来たのだった。