EC事業者に物流代行サービスを展開する「イー・ロジット」(9327。東証スタンダード。東京都千代田区。児玉和宏代表取締役会長=冒頭写真)で、トラブルが発生している。
まだ表面化していないが、今後の動向次第では第三者委員会が設置され、同社が大きなダメージを受けることも想定される。また、その問題の主が「世界のトヨタ」創業一族グループ会社で、しかも詐欺的行為となれば、注目しないわけにはいかないだろう。
この豊田家創業一族グループ会社とは「豊田Holdings」(東京都港区。豊田浩之代表=下左側写真)のことだ。
下右側写真のように、同社HPを確認すると実際にハッキリと「豊田家創業一族のグループ会社」と謳っている。
昨年9月、イー・ロジットは5億400万円の第三者割当増資と、すべて行使されれば12億7260万円になる新株予約権を発行。その第三者割当、新株予約権共に6割を引き受けたのが豊田Holdingsで、現在、約25・7%で筆頭株主。これだけ見れば、いい会社に資金を出してもらったと思うことだろう。 稀薄化率25%以上で、臨時株主総会の決議を経て実施された。これだけ大規模なものになったのは、子会社の不明朗会計などにより債務超過になり上場廃止基準に抵触したため、これを解消するためだった。
今回のトラブルとは、ところが、今年3月になりイー・ロジットが資金ショートしかけたことから、イー・ロジット創業者で元代表取締役会長の角井亮一取締役が仲立ちし、「ヒップスタイルホールディングス」(横浜市西区)なる会社の平田恭平代表が実質、豊田Holdingsの新株予約権の一部譲渡を受け、行使し、約1億1000万円の資金をイー・ロジットに入れたにも拘わらず、豊田Holdingsが新株予約権譲渡(61万1200株。5・68%分)のハンコを押さないためだ。
なぜ、そんなことになったのか?
その一連の対応を巡り、とてもではないが、「世界のトヨタ」創業一族グループ会社とは思えない同社の正体が明らかになったのだった。