アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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脱毛サロン大手「ミュゼプラチナム」に群がる怪しい面々

 本紙では今年6月14日、「KOC・JAPAN」(東京都中央区)なる広告代理店企業が、脱毛サロン大手「ミュゼプラチナム」の親会社「ミュゼプラチナシステムズ」(横浜市神奈川区)という合同会社(以下、ミュゼ合同に略)を買収したことを報じている(*ただしKOCはわずか1カ月後に売却。YouTube版でも)。
その際は実際に脱毛サロンを運営する子会社ミュゼプラチナム(会社分割による新会社。以下、ミュゼ略)と、ミュゼ合同との関係などがよくわからなかったが、その後の取材などで全体の関係、そして現状が見えて来たので、具体的な根拠などは追って報じるとして、今回は概要を述べる。
前回記事の時点では、ミュゼを買収していた中堅の音響・映像機器メーカー「船井電機」(大阪府大東市。現「船井電機・ホールディングス」。会社分割した現「船井電機」は別会社)、その船井電機をTOBして上場廃止とした出版業の「秀和システム」(以下、秀和略。東京都江東区)との関係もよくわからなかった。
 結論を先にいえば、秀和の上田智一代表(冒頭写真)は野心家で、上場していた船井電機を約3年前に買収。さらに、その船井電機が約1年前にまったく畑違いのミュゼを買収したわけだが、秀和にそもそも資金はなく、船井電機買収の約260億円の大半も、そしてミュゼ買収資金の約40億円も銀行からの借り入れだった。
しかも、ミュゼは多額の未払金を抱えている。
本紙は今年5月、「サイバー・バズ」(7069。東証グロース)が約22億円もの貸倒引当金を計上したが、それはミュゼのアフィリエイト広告代金だったことをスッパ抜いている
そんな有様だから、資金を垂れ流すミュゼへの援助は大変。
結局、1年ほどでお手上げとなり、ミュゼの親会社ミュゼ合同は今年3月29日に前出KOCへ(*KOCは4月30日には別会社へ転売)、ミュゼの方は今年5月20日に同社を会社分割した上、新たに設立された同名のミュゼプラチナムに売却してしまう。
 今回の記事タイトルに「怪しい面々」と付けたのは、この売却先の2社もそうだが、さらに事態を複雑にするのは、この売却先企業に船井電機の役員が入り込んでいて、有体にいえば、前出・上田氏(ミュゼ、ミュゼ合同両社代表に就いていた)、上場していた船井電機の代表にまでなったものの、これら怪しい面々に逆に食われてしまった側面もあるようだ。
しかも、船井電機自体も前述のようにミュゼ買収、秀和の資金資金繰りなどで上田氏に食われ、経営危機になっている模様だ。
現在、発売中の会員制情報誌『FACTA』に船井電機に関する2P記事が載り、同誌は、船井電機がミュゼプラチナムを買収したほぼ同時期、船井電機本社ビルに、ミュゼ合同を債務者に、39億6000万円の根抵当権が銀行により設定されていることを報じている。

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