アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<紹介>和歌山カレー事件を検証するドキュメンタリー映画『マミー』

1998年7月、夏祭りで提供されたカレーに毒物が混入していて、67人がヒ素中毒を発症し、小学生を含む4人が死亡したあの事件から26年――。すでに2009年、林眞須美の死刑は確定しているが、今年8月3日から公開されているこのドキュメンタリー映画は、当時の目撃証言や科学鑑定への反証を試み死刑判決に異議を唱える。
また、林眞須美の夫・健治氏が自ら働いた保険金詐欺の実態を語り、確定死刑囚の息子として生きて来た浩次(仮名)が、母の無実を信じるようになった胸の内を明かす。
なぜ、本紙はこの映画を紹介するのか?
林死刑囚もヒ素による複数の保険金詐欺事件を起こし有罪になっていることから、本紙も以前は林死刑囚がやったのでは思っていた。
だが、第2次再審請求代理人になった元裁判官の生田暉雄弁護士と別件で面識を持つなかで、同弁護士が出した再審請求書に関する書籍の紹介を頼まれ、同書籍を見て驚愕する。
同事件の死因はヒ素と青酸化合物(シアン)の両方だが、林死刑囚とシアンを結び付けるものは何もない。そこで同裁判では死亡時に4人の医師が検視し作成した解剖結果、死亡診断書、死体検案書は使われず、2カ月半も後に、検察官の誘導?で新たに作成した死因は「ヒ素」だけとする死体検案書が作成されており、それは虚偽公文書であり、生田弁護士は林死刑囚は「明々白々に無罪である」と断じているからだ。
また、真犯人がいるが、それが“大物”であるところ、林死刑囚は保険金詐欺をやっているから、社会受けすると彼女を犯人にすることに向かったのではないかとさえ記している。(*当時の本紙紹介記事はココをクリック)。
一方、林死刑囚の息子は、縁あり、某週刊誌取材でコメントを求めたところ、「犯行があった晩、家族でカラオケ屋に行っており、その際、何らおかしい態度がなかった」旨述べてくれている。確かに、そんな犯行をしたら普段と何か違って当然だし、そもそもカラオケに行くか?
なお、和歌山毒物カレー事件のウィキペディアでは、前述の青酸化合物(シアン)につき、「※青酸反応については、被害者の吐瀉物に含まれていたチオシアン(タマネギに含まれる)を前処理により除去しなかった為に反応したことが後に判明している」(一審判決文より)とされるが、鵜呑みにしていいのか?
それから、生田弁護士は今年6月病死している。合掌。

二村真弘監督
119分
配給:東風
上映スケジュール(*ココをクリック

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