「木原事件」につき、「事件性なし」と記者会見で公言した露木康浩・警察庁長官を、「日本タイムズ」の川上道大社長が、東京地検に告発したことを本紙が報じたのは8月19日のことだった。
告発の容疑は、「事件性あり」と『週刊文春』の取材に応じ、また記者会見で述べた、木原事件の再捜査を担当していた佐藤誠・元警視庁捜査一課警部補が地方公務員法違反(捜査情報漏えい)なら、個別の事件につき同じく「事件性なし」と公言した露木長官も同罪(ただし、こちらは国家公務員法違反)であるだけでなく、結果的に、それは犯人隠匿罪(刑法103条)にも該当し得るという内容だった。
この告発の件、並行して本紙YouTube版でも報じたところ、「よく告発してくれました!」、「まさに納得いく容疑です」旨など、ひじょうに大きな反響があった。
ところが、その東京地検(山元裕史検事正)に出された告発状が返戻されていることがわかった。
川上氏に聞くと、不在者通知があり、9月12日に郵便局に取りに行き返戻の事実をハッキリ確認したという。
返戻(出した者に戻ること)=検察は受理しない=捜査しないということではないかとの本紙の問いに、川上氏はこう答えた。
「そうではなく、もっと容疑について具体的に書きない――そう言う文句が付いて返って来ているんです。だから、一旦お返ししますということ。
しかし、この問題はひじょうに重要なこと。一地検というよりも、検事総長の目に入れた方がいいと判断し、『上申書』も付けて、来週前半までには、今度は最高検(検事総長宛)に出し直すつもりです」
川上氏によれば、安倍晋三元首相については、当時は首相だったことから、最初から告発状は最高検(横写真人物=現在の甲斐行夫検事総長)に出し、やはり返戻となったが、実に5回出し、最後には受理になったという。
「ただし、結果は嫌疑不十分。もし、逮捕されていれば、殺されることはなかったと思うのですが。
今回は事が事だけに、地検でも対応してくれると思ったのですが。何度も出すことで、向こうも本気度がわかりますし。やはり東京地検の検事正と、日本全体を見ている検事総長とでは物の見方が違うでしょう。また、最高検には度々告発状を出しているので、日本タイムズの川上に対する感覚もありますから」(同)
そうはいっても、この告発状受理は、やはり多くの国民がそう望んでいることを意思表示することが大切だろう。
警察が組織上げて事件隠ぺいを図っている疑惑がある以上、頼みの綱は検察だけ。だが、検察にしても警察が相手とあっては簡単に受理とはいかないはず。それを受理に持って行くには、繰り返すが、国民の声が一番だろう。
以下の有料記事部分に、川上氏が東京地検に出した告発状の下書き文書を添付した。これを参考に、最高検に国民一人一人が出すことも、一つの方法かも知れない。