〇内山雄人監督。制作:テレビマンユニオン。配給:スターサンズ。上映時間117分。
映画のタイトルは、安倍晋三元首相は「昭和の妖怪」ともいわれ、憲法改正を目指した岸信介元首相の孫(安倍氏自身もその祖父の悲願を果たそうとした)であることによる。
父・安倍晋太郎元外相は、戦時中、非戦・平和主義を貫き通した祖父・安倍寛衆議院議員を敬愛していたのにだ。
このタイトルからも察せられるように、この映画は徹底した反安倍政治、反安倍晋三元首相の内容で、安倍長期政権が続き、社会格差が広がったのは、マスコミの責任が大きいとしている。
これだけ聞けば、親安倍派は「極左映画」というかも知れないが、それは間違い。登場する識者の解説を聞くと、極めて論理的に展開され、その結果、そういう評価になっているに過ぎない。
しかし、やはりそういう映画だし、エンターテイメントものではないので上映する映画館も、上映期間も極めて限られている。
この映画HP(*ココをクリック)に、「上映場所」はむろん、映画の紹介も充実しているのでご覧になり、是非、映画館に足を運んでいただきたい。
以下、参考までにおおよその映画構成と、登場者を紹介しておく。
①安倍政権のメディア戦略とマスコミ対策
(このパートは22分。出演者は東京工業大学准教授でメディア研究専門の西田亮介氏と、元ニューヨークタイムズ東京支局長のマーティン・ファクラー氏)
②アメリカは安倍政権をどう見ていたか
(4分。前出マーティン氏)
③アベノミクスへの評価
(7分。元通産官僚の古賀茂明氏)
④安倍氏の大学生までと、祖父・岸の人クロ
(15分。政治ジャーナリスト・野上忠興氏。新右翼「一水会」代表・木村三浩氏)
⑤官僚は安倍政権をどう見たか?
(9分。2人の官僚が覆面で登場。聞き手は前出・古賀氏)
⑥安倍氏の選挙区(下関市)は?
(9分。地元の反安倍派の田辺よし子元市議)
⑦安倍自宅放火未遂事件
(13分。山本太郎参議院議員と本紙・山岡)
⑧統一教会問題
(11分。鈴木エイト氏。前出・木村氏)
⑨安倍氏は憲法をどう思っていたか
(15分。憲法学者の小林節)
⑩ラスト
監督の子どもの写真を見せ、このままでは日本は戦争の道に進み、とんでもない将来になる。そんな国にしたくないとの思いを監督自身が言う。
なお、安倍氏銃殺事件の場面、犯人の山上徹也被告には一切触れていないし、映像もなし。
最後に、本紙・山岡が錚々たる識者のなか登場させてもらえたのは、多くの協力者のお陰で何とか取材して裏を取ることが出来たから。その場を借りて、改めてお礼を申し上げます。特に、内山監督はギリギリまで映像使用許可を得ようと努力したものの、連絡が取れなった安倍氏自宅放火未遂事件の元被告・小山佐市氏、そして小山氏との連絡を取ってくれたり、1回目の小山氏取材に同行してくれたジャーナリスト仲間の寺澤有氏、そして安倍首相(当時)に国会質問してくれた山本太郎議員には特にお礼申し上げます。