アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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「レオパレス21」の2億5000万架空債権、粉飾決算疑惑

 米投資ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」の資金援助により、約3年前に世間を騒がせた「施工不良問題」の解決を図り再建中の単身者向けアパート転貸主力「レオパレス21」(8848。東証プライム。宮尾文也社長=冒頭写真)――そのレオパレスに対し、今年5月31日、2億5000万円の債権は架空であるとして債務不存在などを求める民事訴訟を起こした元取引先の「天草運送」(東京都新宿区)を貶めるような記事掲載依頼が本紙にあったことは、12月7日に既報の通り
その際に報じたように、そこで本紙はレオパレスに対し、①探偵に訴訟相手方を貶めるような記事掲載工作などを依頼しなかったか、②2億5000万円はそもそも架空債権ではないのか、の大きく2つの質問をしたところ回答が来たので報じる。
なお、本紙がこの件に拘るのは、①に関してはヘタをすれば本紙は虚偽の記事を掲載し弱い者イジメに加担するところだったから報道する側としては由々しき問題だから。また、レオパレス側がそこまで行うのは背後に架空債権疑惑だけでなく、「家電不法廃棄」などさらなる重大な疑惑があるのではないかと見ているからだ。そしてまずは②の架空債権疑惑を取り上げるのは、これだけでも粉飾決算になり、上場廃止基準にも抵触し得る重大疑惑だからだ。
まず、①に関しては本紙の質問と、レオパレスの回答をそのまま紹介する(*〇〇は質問状では実名表記も諸事情からこの記事では伏せた。また、読者に意味が通じるように一部補足などしている)。

Q 本紙・山岡は、天草運送オーナーの恩慈宗武氏が裏で糸を引く拓殖大学OB連中が今年6月の御社株主総会に大挙して乗り込み、総会屋のようなことをしたので、その記事を書いてくれと、共通の知り合いを通じ、「K・S」(質問状は実名表記)なる探偵から依頼を受けました。御社はこの者に対し、総会出席者の身元割り出しを依頼されましたか? また、この者が〇〇同和会(中野区〇〇)の関係者とご存じですか?
A そもそも「K・S」なる探偵のことは存じ上げません。その人物に限らず、総会出席者の身元割り出しを依頼しておりません。また、〇〇同和会という団体自体も存じ上げず、いずれの個人・団体とも当社と関わりはございません。

Q K・Sなる者は、身元を割った後、恩慈氏ら拓殖大OBが恰も無法者のような悪印象を抱かせる記事を『ダイヤモンド・オンライン』( 22 年8月 10 日。ダイヤモンド社)、『〇・〇』(11 月4日号)に掲載しています。後者掲載に当たっては間違いなく金銭が支払われています。この依頼も御社はK・Sなる者を通じてさせていませんか?
A 上述のとおり、そもそも「K・S」なる探偵のことは存じ上げません。お尋ねの依頼等も全くしておりません。

一方、2億5000万円の架空債権疑惑とは天草運送側主張によればこういうことだ。
 天草運送の東京・新宿の本社の隣でバブル時代、地上げ業者が暗躍。そこの地主が天草運送になら売ってもいいと言って来た。(横写真=右側が天草運本社ビル。左の隣接するビル土地が当時の地上げ地)そこで、拓殖大学時代以来懇意にしていて、すでに不動産事業で成功していた後輩の深山祐助レオパレス創業者、元社長(当時の社名は「ミヤマ」)に話したら買いたいという。ミヤマが昭和リースから8憶9500万円調達。天草運送がダミーで購入。そして、この土地にミヤマが代物弁済予約、所有権移転仮登記を付けた。これが1987年4月のこと。だが、すでにバブルは弾け出し総量規制が始まり土地は約2年間寝かされた。しかも、ミヤマは「エムディアイ」(→レオパレス21)に社名変更し、89年2月に店頭公開することになるのだが、その審査の際、8億9500万円では高過ぎるとして指摘されることを深山氏は懸念し、2億5000万円分は天草運送の運転資金として貸したことにしてくれと頼まれ、これを恩慈氏は拓大時代からの友情で信頼し飲む。
だが、架空の債権だから、実際にはレオパレス側が月100万円ほどを振り込んで来て、そのカネを天草側がエムディアイに振り込むといった方法などで処理していた。しかし、事情を知る担当者が退社するなどの理由から返済は何度も途切れ、2012年1月までに返済したのは約1億5000万円とのことだ。そんななか、12年2月、天草運送が国税の延滞税を一部未納にしていたところ、国税がレオパレス21に対し、天草運送の売掛債権分約4800万円の差押え通知を出す。これに対し、架空債権の事情を知らない当時の役員が、国税に対してではなく、2億5000万円の未返済分の一部として相殺してしまう。これらが事実なら、天草運送にしてみればなんで!? と怒って当然だろう。天草運送が今年5月にレオパレスに対し起こした民事訴訟とはしたがって具体的には、2億5000万円の残債とされる約1億2000万円は存在しないことを求めるとともに、相殺名目で取られた約4800万円の支払いを求める内容なのだ。
さて、これを踏まえ、以下、この②2億5000万架空債権疑惑に関する本紙の質問と、レオパレスの回答を紹介する。

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