本紙では8月3日、ビジネスソフト販売主力の「ベクター」(2656。東証スタンダード。東京都渋谷区)が7月26日、「筆頭株主の異動に関するお知らせ」をIR。それによれば、現在、ベクターの筆頭株主は「ソフトバンク」(9434。東証プライム。東京都港区)で42・4%だが、これが年内にはソフトバンクが所有する株式の25・94%を相対で「イーグルキャピタル」が組成した2つのファンドに譲渡してイーグル側が筆頭株主になる予定だと。しかし、そのファンドの裏側にはあの有名な増資ブローカーが関与、また、まだ買収資金が集まっていない模様で、そんな不確定な内容をIRして増資ブローカー側を利するような大甘対応をなぜソフトバンクの小会社ともあろうものがするのか疑義を呈する記事を報じた。
そうしたところ、孫正義氏がこの本紙記事を見て(実際は秘書か誰かが見て進言したのだろうが)、この件を担当した経営企画本部のS氏が怒られたとの情報も本紙の元には届いている。
とはいえ、IRしてしまった以上、いまさら取り消すことはできない。
ところで、このソフトバンクとイーグル側とのベクター株の相対取引、2回に分けられており、1回目は8・65%(120万株)。その売出価格は3億円(1株250円)で、7月26日から30日以内に支払をすることになっていることは、本紙の前回記事でも述べた通り。
だから、まだ日程的に幾分猶予があるのだが、しかし、10月中旬開催予定のベクターの臨時株主総会の基準日は8月19日(金)なのだ。