現在、発売中の『サンデー毎日』の牧太郎氏の連載コラム「青い空白い雲」で、本紙がスクープした、安倍晋三元首相の山口県下関市の自宅などに火炎瓶が投げ込まれた事件が取り上げられている(冒頭写真)。
牧氏は『サンデー毎日』編集長も務めたことがある元「毎日」社会部記者。
その牧氏が、今回の安倍元首相銃撃事件が起こった瞬間、この安倍宅火炎瓶事件を思い出し、ヤクザの仕業ではないかと疑ったというのだ。本紙も事件を知った際、同じ思いが脳裏をかすめた。
牧氏はその心は、「亡くなった安倍さんを批判するつもりはないが、『火炎瓶投げつけ』と『安倍銃撃』の二つの事件には同じような『政治家さんの自分勝手』が隠されているようだ」と記している。
本紙は「同じような『政治家さんの自分勝手』が隠されている」とは思わない。火炎瓶事件の方が、はるかに「自分勝手」だったと思っている。
奇しくも、今回の銃撃事件同様、民主主義の基本中の基本の選挙に関連し、反社会勢力が登場するそんな負の重大疑惑もある人物を、国葬にする価値が本当にあるのか?
大手マスコミは忖度してか一切報道しなかったが、これを機会に、本紙のこの火炎瓶事件の記事を振り返っていただければ幸いだ(*ツイッター上の同事件に総まとめが上がってもいる。主犯の小山佐市氏=右下写真の右人物=のインタビュ―映像も見れる)。
なお、コラムに取り上げていただいて牧氏には感謝だが、このコラムの記載、不正確な部分があるので補足しておく。
①選挙妨害の約束の報酬500万円を300万円に値切られ火炎瓶を投げ入れたと記しているが、これは違う。安倍事務所側と巻いた「念書」もあり、そこには市内の開発などに絡むもっと巨額の利権話があった。
②安倍さんは「事務所がやったこと」との立場→安倍氏は選挙妨害をやってもらった後、安倍事務所で主犯の小山佐市氏と2時間近くも見返りの話をしていると思われ、事務所がやったことではすまない疑惑がある。
③犯行を指示した組長に懲役20年は重い?→組長は別のカチコミ事件(旅芸人一座の自宅に拳銃発射)の分の刑も含まれている。
④工藤会の「フロント企業」と関わりがあった安倍事務所→小山氏の会社を指すと思われるが、本紙は同社を「フロント」とは思っていない。あくまで個人的な関係から、工藤会側は火炎瓶事件に関わったと思っている。