アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<連載>宝田陽平の兜町アンダーワールド(864)「中国系仕手筋資金難の情報」

 1月末、中国の小売り大手「蘇寧易購集団」(深セン上場。江蘇省南京市)は、アリババ系の幹部が同社の董事長(日本の会長)に就任すると発表した。アリババは2016年、同集団に19.99%出資している。今後はアリババと提携して蘇寧易購集団を立て直すつもりなのだろう。
この蘇寧易購集団は近年、中国家電小売り「ラオックス」(8202。東証2部。羅怡文会長)、イタリアのサッカー名門「インテル・ミラノ」、大型総合スーパーマーケットとコンビニ経営などの「カルフール中国」などを次々と買い漁って事業拡大していたが、コロナの影響もあり業績はかなり悪化している。またオーナーらの保有する蘇寧株も一部売却されて中国政府系ファンドから資金調達している。負債総額は3兆円との見方もある。
ラオックスといえば日本では中国系仕手筋の総本山ともいわれているが、本国の親会社・蘇寧易購集団の経営不振に加え、中国政府が個人資金の監督強化にまで乗り出したことは大きいだろう。日経によれば、「3月から個人預金の管理を強める。現金の預け入れや引き出しが1回あたり5万元(約90万円)を超す際には、お金の出どころや使い道を登録するよう市中銀行に義務づける。不正所得のマネーロンダリング(資金洗浄)を防ぐ。外貨も対象で、海外への違法な持ち出しを取り締まる狙いもありそうだ」という。
すでに法人からの送金もファンド投資などは規制されているが、これで中国系仕手筋の資金源は益々厳しくなるのではないか。また在日中国系企業筋も中国人留学生がコロナ禍で来なくなり、語学学校の経営は厳しくなっているだろう。

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