筆者・中井仲蔵(コラムニスト)――この連載は、普段は某中小企業に務めつつ、こっそり雑誌やウエブ媒体に原稿を書くコラムニストの私が、あまり話題にならなかったニュースを拾い起こしてみようというものです。月2回の掲載を目標にしています。
ミニって車があるじゃないですか。ほら、英国生まれのオシャレな小型車の。
昔はローバー・ミニって呼んでましたが、今世紀に入ってからはBMWの傘下に入ったとかでデザインも一新され、どこか懐かしい外見を残しつつも最新の技術を積んだ車として、日本でも根強い人気があります。
こないだヒマな時にぼんやりとネットを見てたら、ミニ日本法人の公式ツイッターとユーチューブが、揃ってプチ炎上してました。
リツイートやコメント欄を読むと、
〈ミニクーパー好きなクルマでしたが、幻滅しました〉
〈ミニを手放そうかと思案中〉
〈オーナーだけど絶対乗り換えたくなくなった。この人らに宣伝効果があると思って起用するなんてどうかしている〉
などと、散々な書かれようです(右下写真)。
いったい何事かと思ったら、販促のプロモーションとして、2人の著名人がミニをドライブしながらおしゃべりするという動画をアップしたのが原因でした。そこに出てくるのが三浦瑠麗さんと八代英輝さんという、およそ物を売るにはふさわしくないような人選だったので、炎上につながったようです。
ご存じないかたにご説明しますと、三浦瑠麗さんといえば、美貌と色気で知られる国際政治学者です。自民党政権と非常に近いことから、右派の好物というべき媒体でよく仕事をしてるようですが、2018年の「スリーパーセル発言」(左下写真)でキャリアにミソをつけました。
ワイドショーに出演し、米朝戦争の話題になった際に、
「日本にはスリーパーセルと呼ばれる北朝鮮のテロリストが普段からたくさん潜んでいるので、有事の際には大都市が狙われる。結構ヤバいのが大阪」
という旨の発言をしたのです。
人権意識が低い人はピンと来ないかもしれませんが、これは程度の差こそあれ、関東大震災の時に流れた「朝鮮人が井戸に毒を入れた」というデマと同質のヘイトスピーチ(差別扇動発言)です。
実際には、三浦さんの発言を裏付けるような事実はなく、三浦さんが根拠として示したのは、およそ国際政治学者と名乗る御仁が参照元とするにはあまりに恥ずかしい海外タブロイド紙のヨタ記事だったということがのちに判明しました。
そんな三浦さんだけあって、2020年にはアマゾン・プライム・ビデオの広告に起用された際は、ツイッターで「ネトウヨをCMタレントに使うのか」と、「#Amazonプライム解約運動」というハッシュタグが立ち上がり、半月ほどでその広告はユーチューブから削除されています。