アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

浜岡原発の裏のドン=「片山さつき」秘書!? の、地元産廃関連施設建設巡る疑惑に関する有力情報

 紆余曲折あったものの、今年3月、浜岡原発を抱える静岡県御前崎市における産業廃棄物処理と発電を兼ねた「御前崎リサイクルエネルギープラザ」建設計画の中止が決まった(産廃の処理能力1日280トン。発電は1万2000KW。冒頭写真の黄色囲み部分が予定地だった一部)。
この計画、2017年12月、後述する「財産区」の管理者・柳沢重夫市長が、産廃処理大手「大栄環境」(兵庫県神戸市)との間で密かにその建設計画の土地につき賃貸契約を結んだことに始まる。
それから約3年3カ月。本紙はこの建設を巡る疑惑につき有力情報を入手したので報じる。
この御前崎リサイクルエネルギープラザが計画されていた土地(約2万8000㎡)は「池新田財産区」の一部だった。「財産区」は山林、墓地や、用水路、公民館などの公の施設を保有する場合、それを管理するために設けられる法人格を有した特別地方公共団体。
公的性格が強く、したがって同地を利用(賃借)する計画が持ち上がった際には、柳沢市長が選任する7人の管理会メンバーで決を採り契約することを決めた。
その7人のメンバーのなかに、この御前崎リサイクルエネルギープラザ建設計画を主導したと見られる、片山さつき参議院議員の私設秘書で、地元の浜岡原発の利権を裏で仕切っているとも言われる阿南澄男市議(71。当選5回)がいた。また、この計画に市の補助金約4億円が出ることが決まっていた。要するに、この疑惑は贈収賄にも関することなのだ。
 なお、これら疑惑に関しては、『週刊新潮』が18年11月29日号で3P割いて報じている。タイトルは「安倍内閣が処分したい『片山さつき』から『ダイオキシン』」(下右写真)。
同記事によれば、財産区の7人のメンバーの内、阿南市議と同氏の息のかかった他の3人の計4人が賛成し計画は進んでいた。
だが、土地賃借契約が密かに結ばれていたこと、現場がアオウミガメの産卵地に近い浜岡砂丘周辺の海側だったことなどから、地域住民の反対運動が起き、新潮記事の約1年後の19年12月、建設の是非を問う住民投票が行われ投票数の実に9割が建設反対だった。このため、柳沢市長は20年1月、大栄環境の金子文雄社長に計画断念を要請していた。
それでも、大栄環境は住民投票に法的拘束力はないとして建設を強行しようとした。だが、関係者によれば、
「大栄環境は最近になり上場を準備し出した。それにコロナ禍も加わり、このまま強行するのは上場の妨げにもなり得策でないとの判断から、大栄側は今年3月に事業中止を表明したのです」(事情通)
阿南市議ら財産区の賛成派4人は、3月12日午後に大栄環境の金子社長と面談。その席で大栄側から事業中止の表明があり、15日、阿南市議が市議会廃棄物処理対策調査特別委員会で計画中止を報告した。

この続きを読むには有料購読の登録が必要です。

関連キーワード
検索

カテゴリ一覧