アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<記事紹介>「特区報道で訴訟 原告側請求棄却」(「毎日」9月22日)

 政府の国家戦略特区ワーキンググループ(WG)の座長代理を務める原英史氏が、毎日新聞社の記事で名誉棄損されたとして同社を相手取り1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が9月21日にあり、東京地裁は「報道は公益性を図る目的だった。名誉棄損は成立しない」と原氏の請求を棄却した。
その記事とは、19年6月11日のもの(冒頭写真)。
国家戦略特別区域(特区)とは、第2次安倍内閣において、内閣総理大臣が主導し、「地域振興」と「国際競争力向上」を目的に、その決定された特区では例外的に従来の規制を大幅に緩められる。現在も菅義偉首相の元で継続している。
国会でも大問題になった「加計学園問題」――同学園の獣医学部新設が、安倍内閣で特区に指定された愛媛県今治市において例外的に認められたが、その加計学園理事長は安倍首相(当時)が「腹心の友」と呼ぶ関係だったことから癒着疑惑が出たわけだ。
この特区は、民間委員9名から成るWGから提案があり、首相が議長を務める国家戦略特区諮問会議で審議・決定されるが、旧通産官僚出身の原氏はそのWGのメンバー(しかも現在も座長代理)。
それだけに特区制度には高い公平性・中立性が求められるが、ある特区提案者から、原氏へではないが、原氏と協力関係にある「特区ビジネスコンサルティング」(当時。現在は特区業務から撤退)に約200万円のコンサルタント料が支払われていた事実を掴んだことなどから、「毎日」は特区制度の在り方につき問題提起した記事だった

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