かつては、「これはあの政治家の銘柄だから、いずれ上がるよ」などど、国政選挙が近づくと兜町では話題になることがあった。政治家が、政治資金作りに仕手筋と組んで株価を吊り上げる--真偽はともかく、昔は今と違って政治と株式市場が密接に繋がっていたことは事実で、こうした株の銘柄を「丸政(まるせい)銘柄」と呼んでいた。
そして、2019年の参議員選挙以来の国政選挙が近づいて来ている。
この丸政銘柄、昭和から平成の初めごろまでは、国政選挙が近づくとその手の話が賑わったのは事実。本当のところはかなり怪しいのだが、少なくとも、株で選挙資金を作るという噂が流れて特定銘柄が急騰することはあった。もっとも、平成の中ごろからはマル政銘柄という言葉そのものが兜町でも死語になって来ているが。
そんななか、しかし麻生太郎副総理の実家である「麻生グループ」(福岡県飯塚市。統括会社は「麻生」。その麻生の代表取締役会長・麻生泰氏は麻生副総理の弟)が特定銘柄に介入した結果、最近、その株価が吊り上がっているのは紛れもない事実だ。