東京五輪開催の名目に、新型コロナ対策として「バブル方式」なるものが注目を集めている。
「開催地を大きな泡で包むように囲い、選手やコーチ・関係者を隔離。外部の人達と接触を遮断する」方法とのことだ。
だが、そもそも外部との接触を完全に遮断できるはずもないし、待遇の悪さから米国の女子体操チームが選手村に宿泊せずホテルに泊まることを決めた。一方、すでに127人(24日現在)の五輪関係者の感染判明という事実からも、バブル方式が破綻しているのは明らかだろう。
無観客でも東京五輪開催による感染拡大が懸念されているが、それはそもそも一般の入国チェック体制がキチンと出来ていることが前提だろう。五輪関係者でない者の入国者数の方が圧倒的に多いのだから当然だ。
ところが、つい最近、中国から成田空港経由で入国して来た中国人(自宅は日本にある。私用で一時帰国していた)に入国時の様子を聞く機会があり、そのいい加減さに愕然とさせられた。これでは五輪バブル方式以前の話だからだ。
仮にその中国人をAサンとしておく。50代。北京出身だ。
Aサンは2週間ほど前にわが国に入国した。
わが国の規定では入国時の検疫で外国人、日本人問わず、まず出国前72時間以内の検査証明書を取得し、それでその者はコロナに感染していないことをチェックすることになっている。
「当然、それをチェックするのは検疫官(厚労省)だと思っていました。ところが、言葉の関係もあるのでしょうが、留学生などと思われる中国人若者のアルバイトと思われる者がやっていました。あれで本当に責任を持ってキチンとチェックできるでしょうか?」(Aサン)
A氏によれば、かなり前から中国では偽造の検査証明書も出回っているという。それをチェックする体制もとても出来ているとは思えないという。
しかも、本紙の当初の取材では、入国時、改めてPCR検査を受ける(二重チェック。通常1~3時間ほどで検査結果が出る。それまで空港内で待機。遅い到着便だと当日結果出ず1泊させられることも)。ところが、Aサンは受けていないといっていた。
いくらわが国入管体制がズサンといっても、そんなことはあり得ないだろうと再度、取材し直したところ、Aサンが勘違いしていたことが判明した。