東京五輪開幕まで1カ月となった昨6月23日、東京都新宿区の東京都庁前で「オリンピックは私たちを殺す! やらせるものか『犠牲の祭典』」と謳う抗議行動が開かれた。呼びかけたのは「反五輪の会」など8つの市民団体で、第一庁舎前に約850人が集まった。
午後6時から始まった集会では、「中止一択! オリンピック」などのプラカードを掲げた市民が、コロナ禍で五輪を強行するのは無謀と批判し、五輪を中止して医療や福祉に予算を回すべきだと訴えた。
それだけではなく、オリンピックが大企業の利潤追求の場になっており、賄賂とパワハラの温床にもなっているとして、オリンピックそのものの廃止を求めているのが特徴的だ。
午後7時からは新宿駅前を一周して、アルタ前までのデモ行進に。その掛け声にも主催者の訴えがよく現れていた。
「ワクチン横取りオリンピック」「医者もナースも限界だ」「命の選別オリンピック」の他、「バッハは極悪、ぼったくり」「利権の祭典、オリンピック」「賄賂で買ったオリンピック」と東京五輪にまつわる一連の疑惑や本質的批判が繰り返された。
沿道の人々の反応は様々で、デモに呼応して声をあげる人もいれば、「オリンピック大賛成」と叫んで乱入する若者たちの姿も見られた。
「国民主権党」という聞き慣れない政党が街宣車2台を出して、「これだけ密になっても大丈夫だから、オリンピックは開催できる!」と大音量で主張(左横写真)し、デモの妨害を試みたが、参加者の抗議により撤収する一幕もあった。