10月22日に本紙で報じた、中空成形機などプラスチック加工機の専業メーカー「プラコー」(6347。JQ。さいたま市)の11月6日予定の臨時株主総会を巡る攻防の続き。
この臨時株主総会開催を申立て、プラコーの黒澤秀男社長ら現経営陣4名の解任、代わって5名の候補者を取締役と選任する提案をしているのが「フクジュコーポレーション」(東京都中央区。井手出和成代表)で、その裏で実際はフクジュに指示を出していると見られるのが今年に入りプラコーの第4位大株主(4・5%)になった「和円商事」(本多敏行代表)、それに過去、東証2部に上場していた「春日電機」を乗っ取った上、会社法違反(特別背任)で服役した前科がある(事件後、同社は上場廃止に)ため表に出ず、裏で複数のダミーを使いプラコー株を買い占めていると見られる篠原猛氏(冒頭写真)という構図だ。
こうしたなか10月26日、プラコーのHPに、プラコー労働組合による臨時株主総会招集及び株主提案への反対意見を表明するIRが掲載された。
そこでも、フクジュと共に、「それらと実質的に共同している和円商事や同社代表者本多敏行らのグループによる」この提案に反対と述べている。
さらに彼らが本当にプラコーを経営する気があるなら候補者5名と共に組合側にも接触して来ておかしくないがそんな動きはまったくなく、「当社の業務に真摯に取り組む意思が全く無いものと判断せざるをえません」と述べ、もし、彼らがプラコーの経営権を握った場合、納得のいく説明が尽くされない限り「無期限ストライキ」を断行するというのだから尋常ではない。
しかも、10月28日には、同じくプラコーHPに、プラコーの監査役が臨時株主総会開催禁止の仮処分申し立てを行ったとのIRが載った。
この間、買収側は、株主に対し、11月6日開催予定の臨時株主総会における委任状の提出による議決権行使をお願いする手紙を出している(フクジュ名で)が、その内容は株主の意思決定をゆがめること等から会社法上禁止されている(会社法120条1項)からという。
その手紙を上右横に転載した。
あくまで委任状の提出による議決権行使をお願いするもので、株主がどちらに投票しようが2000円のクオカードを提供するとしている。
だが、自分たちの側に賛成させるために実際、買収を図っているというのが現経営陣側の見方。そして、それは「財産上の利益供与の禁止」(=会社法120条1項)に当たるという主張。
2000円のクオカードは11月30日ごろ各株主の住所に送るというが、それは臨時株主総会後。実際は自分たちの側に賛成していないどころか、これではどちらにしろ、空手形に終わる可能性もあるのではないか。