10月5日に取り上げたばかりの「クレアホールディングス」(1757。東証2部)だが、また新たな問題を把握したので報じる。
しかも今回の問題は、ようやく11月20日に株主申立てによる臨時株主総会が開催されることが決まったが、これは実質、現経営陣を追い出すことが議題だが、その水面下の株主争奪戦とも関係しているだけになおさら注目しないわけにはいかないのだ。
クレアは9月28日、「第三者割当による自己新株予約権の処分に関するお知らせ」というタイトルのIRを出した。
その内容を簡単に解説するとこういうことだ。
クレアは19年12月、「MTキャピタルマネジメント」と「オリオン1号投資事業有限責任組合」に同数の新株予約権を発行した(行使価格は18円)。
その後、本紙でも指摘のようにクレアの株価は急騰する(冒頭写真=株価チャート)のだが、未だ未行使の分が3分の1ほど残っていたので、クレアは今年7月20日に取締役会決議を経てそれから1カ月以内に行使しなければ1株18円で買うと公告。そして行使されないことから自社で取得したという。
この経緯通りで、これだけなら問題ない。
本紙が問題と思うのは、クレアは取得したその株を自社で保有、または消却するのではなく、「SEED」(東京都渋谷区)なる会社に16円で譲渡。その結果、SEEDは9月28日付で以前の取得分2・25%分と併せ10・69%保有でクレアの筆頭株主になった。
クレアはこのIRで、その時点での75円の時価と行使価格16円の乖離については、今年10月末までは売却しないなどの対策をしているから問題ないといっているが、1年とかいうならともかく、わずか1カ月だけでそんなわけがないだろう(+終値が一度でも上下50%以上動いたらもう1カ月売却禁止とも)。何しろ、その差額1株59円で換算すると2000万株以上だから12億円近い利幅になる。しかも、このSEED、クレア子会社から1億300万円の借入金もある。これは有利発行に決まっているではないか。
極めて異例のことだが、東証はこんなことを許すのか?
それに、本紙はこれが問題といっている理由は他にもある。
まずは、このSEEDという会社の正体だ。