本日夜、菅義偉新政権が発足したが、その菅新首相が官房長官時代から後押ししていたのが「地銀再編」だ。
札幌、福岡、仙台など地方の中核都市を除けば人口減の日本列島。そこへ新型コロナ騒動で、地方の金融機関が多過ぎるのは異存のないところで、菅首相の「地銀は多過ぎる」発言はその通りだろう。
もっとも、多いのは地銀だけではなく、信用金庫・組合、それに農協もだ。農協・漁協は金融庁の管轄が及びにくいため再編は期待できない。また信用金庫・組合は地域に根差し、オーナー系も多い上に上場していないため、やはり再編はやり辛い。
結局、地銀再編となり、そのなかでも第二地銀中心ということになるわけだが、先行して動いているのが北尾吉孝社長(右下写真)率いる国内外ベンチャー企業投資、ネット証券、保険、銀行など総合金融業志向「SBIホールディングス」(8473。東証1部。東京都港区)。
その北尾氏、すでに昨年9月、島根銀行と資本提携し、グループで34%出資。その後、福島銀行(19・25%)、筑邦銀行(福岡。3%)、清水銀行(静岡。同)とも提携し出資。そして、これら地銀に出資する持株会社として「SBI地銀ホールディングス」を設立。今後、地銀への出資先を現行の4行から10社に増やすとしていた。
そんな中の9月2日の自民党出馬会見で、超低金利で地銀経営も苦しいことについて質問された菅氏、「地方の銀行は将来的には数が多過ぎる」と発言。さらに翌3日の会見では「再編も一つの選択肢だ」と踏み込んで発言。
一方、前出・北尾氏は、その3日当日に菅氏から電話があり、何と「地銀のことをよろしくお願いします」といわれたと明かしている。
そんなわけだから、菅氏が首相になっていよいよ本気で「地銀再編」を手掛けるのだろうとの観測が流れて当然だろう。