アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

<連載>宝田陽平の兜町アンダーワールド(778)「SBI証券のネット証券独占説に異議あり」(+青汁王子ネタ)

 誹謗中傷はしない主義のためあえてどことは言わない。この連載で度々ネット証券の行方をレポートしているが、一部専門家と称する者のネット証券についての見解が浅すぎので解説する。(冒頭写真=昨年12月末の口座数ランキング。青色はネット証券)
ネット証券が手数料ゼロ競争になり、「SBI証券」(北尾吉孝代表取締役会長。東証1部の=「SBIホールディングス」8473。北尾社長=傘下)の一人勝ちという。そして、北尾氏が「松井証券」(8628。東証1部)、「マネックス証券」(=「マネックスグループ」8698。東証1部=傘下)を潰し業界再編を目論んでいるいう。
しかし、これは大きな認識不足だ。
ネット証券を利用する投資家の多くは数社に取引口座を開設している。理由は簡単だ。SBI証券では規制が入った銘柄でも、他では規制がない場合があり、また比例配分やIPO入札では数社に分散した方が当たる確率が高くなるなどによる。
したがって、一人勝ちはあっても、業界の再編による独占は投資家が許さない。
ところで、ネット証券で利益が出ているのは「auカブコム証券」までで、それ以下は赤字だ。
そのauカブコム証券もSBI証券、「楽天証券」の攻勢の前に防戦一方で、昨年8月、KDDIの支援を仰ぎカブコム証券からauカブコム証券となったのはご存じのこと。
上位ネット証券にとってはもはや手数料より金融収益が重要だろう。SBI証券以外はこれが最後の砦でもある。金融収益とは顧客が信用買いした時の融資による金利収入のことだ。金融収益は松井証券は全収益の41%、マネックス証券は37%となっている。特に松井証券は自己比率が高いため信用買いは丸々利益となる。自己資本比率が低いと日証金を通すためそうはいかない。

この続きを読むには有料購読の登録が必要です。

関連キーワード
検索

カテゴリ一覧