アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<復活!!>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』第28回「歌謡ポップスと悪役黄金時代」

筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。

新刊本の紹介見てたら『ちあきなおみ 沈黙の理由』(古賀慎一郎著。新潮社)というのがあって、ちあきなおみの付き人兼マネージャーだった著者が、ちあきの夫の郷鍈治(冒頭右写真)が亡くなった後も7年間ちあきに寄り添った思い出を綴ったもの。
ちあきのファンでもあり、郷のファンでもあったこちとらとしては、これは待ってましたの本なのだ。
夫が亡くなった後のちあきは、完全に歌を止めて、芸能界とも一切の関係を絶ってマスコミのインタビューにも登場しない。
ここ何年も、ちあきなおみの復活を願う声は高まる一方だが、むずかしいだろう。
郷鍈治は、ちあきと結婚してからは俳優を辞めて、ちあきのプロデュースに徹して二人は一心同体、ある意味理想的なカップルだったようだ。
思い返すに1960年代後半から70年代にかけて、ちあきは歌謡界で、郷は映画界で活躍した。
郷は宍戸錠の実弟で、特に日活アクション映画ではなくてはならない脇役だったのだ。クセのある悪党顔で、ヤクザ、殺し屋の役をやらせたら天下一品。日活がロマンポルノ路線に転向した後は、東映やテレビでも頻繁に登場し、悪役を生き生きと演じ続けた。悪役だけではない、特に渡哲也と組んでの『斬り込み』『関東幹部会』『関東破門状』では、クールなヤクザで主役の渡を引き立てたのだった。
しかしこうして見ると、60年代~70年代というのは、歌謡ポップスの女性シンガーと、映画界における悪役の黄金時代であったことがよく分かるね。

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