パート勤務の在日韓国人女性(50代)が、職場で民族差別表現を含む文書を繰り返し配布され、精神的苦痛を受けたとして提訴していた民事訴訟の判決が7月2日にあり、大阪地裁堺支部は「許容範囲を超えている」として計110万円の支払いを命じた(冒頭左写真。裁判所前で)。
この東証1部上場企業とは、大阪府地盤の自由設計の戸建て住宅中心「フジ住宅」(8860。大阪府岸和田市)。業績はすこぶる順調で、20年3月期の売上高は約1100億円で毎年黒字。従業員は連結で約800名いる。
判決によれば、13年ごろから従軍慰安婦などの歴史認識に加え、韓国や中国の出身者を「うそつき」「野生動物」、「死ね」などとする内容の雑誌記事などを全従業員に配布。創業者の今井光郎会長(74。冒頭右写真)が下線を引いて強調した文書もあったという。
そのため、被告には法人としてのフジ住宅と共に、今井会長も名を連ねていた。
判決は原告女性の人格権侵害を認定しただけでなく、従業員に継続して配布していたことから、「広い意味の思想教育にもあたる」とも指摘してる。
ところが、フジ住宅側といえば、社員教育の裁量、言論の自由の観点から到底承服し難いとして控訴する方針とのことだ(*フジ住宅の言い分はここをクリック)。
先の都知事選では、へイトスピーチが裁判で確定したこともある元在特会会長の桜井誠氏も出馬したところ、主要候補といわれた5人のうちの立花孝志氏の4倍もの18万票近くを集め5位に入り、東京でも差別主義が一定の支持を得るようになったのかと一部識者の間で衝撃が走っているが、並行して東証1部上場企業でもこんな判決が。