アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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「ユニバーサルエンターテインメント」のIRではわからない、岡田元会長の22億円超不正行為認定判決(1審)

 パチスロ大手「ユニバーサルエンターテインメント」(旧アルゼ。6425。JQ。富士本淳社長。以下UE略)は2月18日、17年11月に同社の創業者で元会長の岡田和生氏(冒頭左写真)を相手取り東京地裁に提訴していた民事訴訟の一審判決があり、岡田氏の3件の不正行為が善管注意義務違反ないし忠実義務違反であることが認められたとIRした。
岡田氏がUEを追放されているのは本紙でも既報の通り
今回、岡田氏の不正行為が一審ながらも認められたとする3件とは、(1)当時、岡田氏が株式を握っていた岡田ファミリー企業(OHL)の第三者(=現「カイカ」2315。JQ=の創業者で元社長・李堅氏)に対する貸付債権回収と、個人的な美術品購入名目資金を得るため、その第三者(李氏)と親しい外国法人にUEの100%香港子会社TRAから約20億円を貸し付けた、(2)TRAから、個人的利益を図るために2億円の小切手を振り出させた、(3)TRAの子会社からも、18万ドル以上を支払わせたというもの。
つまり、その総額22億円以上の損害をUE側は岡田氏から被っていることになるわけだが、今回の判決で出た岡田氏に対する支払額は約2129万円に過ぎない。全面勝訴というのに、この22億円超のわずか100分の1にも満たないとはどういうことか!?
それは、今回UEが提訴していた額は、そもそも前述の不正行為3件を掴んだというUEが設置した特別調査委員会の費用だけしか請求していないからだ。
なぜ、それだけかというと、別途、TRAが損した分は同社が直に岡田氏を相手取り香港で提訴しているからだという。
だが、そういわれても素直に受け取れないとの見方もある。
ある事情通は、こう解説する。
「実はこの訴訟、UEが積極的に起こしたわけではない。特別調査委員会で3件の不正行為が明らかになったことを受け、株主がUEに提訴請求した。それで60日内に会社が訴えを提起しない場合、株主代表訴訟となるわけだが、UEは特別調査委員会費用の約2129万円分しか訴えなかったことから、株主は実損の22億円超の株主代表訴訟を提起しているんです」

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