重要な株主訴訟であるのにその認識がなく、報告がすっかり遅くなってしまったことをお詫びしたい。
その株主代表訴訟、パチスロ大手、フィリピンでカジノ経営の「ユニバーサルエンターテインメント」(以下UE略。6425。JQ。東京都江東区)の富士本淳社長に対し4350万ドル(提訴時のレートで日本円にして約45億円)の損賠賠償請求を求めたもの。
東京地裁に訴えたもので、8月26日、地裁と同建物内の司法記者クラブで代理人弁護士2名と共に株主は記者会見も行っていた(冒頭写真。中央人物が株主)。
UEといえば、真っ先に思い出されるのが創業者の岡田和生氏。しかし、この岡田氏、本紙がいち早くその疑惑を報じた4000万ドルの送金問題もあり、17年6月、事実上追放され、以降、名実共にUEを率いているのが富士本社長。
ところが、この富士本社長、2012年5月11日、先の4000万ドルとはまったく別の話で、しかしUEの内部的意思決定手続きを履行せず、かつ、合理的送金理由も認められないこの約4350万ドルを第三者に送金してUEに損害を与えたことが、善管注意義務違反、忠実義務違反に当たるという。
UEは内容についてはまったく触れていないが、9月25日のIRでこの株主代表訴訟があったことを公告している。
このように、報道が2カ月近くも遅れたが、言い訳ながら、司法記者クラブで記者会見したにも拘わらず大手マスコミは一切報じていない。また、本日この記事を書くにあたりネット検索してみたが提訴の事実は一切報じられていないようだ。
だが、この株主代表訴訟、以下のような理由から実に興味深いのだ。