この連載(3)を報じたのが5月27日。本当に間が空いてしまったが、それには理由がある。
前回(3)では、収益ビル・マンションの仕入れ販売を手掛ける「アルデプロ」(8925。東証2部。東京都新宿区)が現在、所有しているめぼしい不動産は代々木駅前のビル(一部所有権)が売れたから、残りは六本木4丁目の2つのビル(六本木ビルとアネックス六本木ビル)とその隣ビル(ランディック六本木ビル)の2、3階部分(下写真の黄色マーカー部分)、それにレオパレス21からまとめ買いした物件の残りと記している。
そんななか、アルデプロの創業者で元社長、筆頭株主である秋元竜弥オーナー(冒頭右写真)の忠実な部下といってもいい椎塚裕一氏(冒頭左写真)が3月31日、アルデプロの代表取締役社長に復帰。
本紙では、秋元オーナーが遁走の準備、すなわち自分が出資した分の回収に入っていると見ており、したがって、アルデプロの業績向上より、さらなる秋元オーナーの債権回収が椎塚氏の社長復帰で加速するだろうと見て、その動向をずっと注視していたためにすっかり追加記事を出すのが遅くなってしまったのだ。
ただし、その結果、この5カ月ほどの間に、本紙の見立て通り、秋元オーナーの債権回収は一挙に進んだ。
まずは、アルデプロの残りの目ぼしい不動産の六本木記載分がすべて売れた。
2つのビルは9月10日、そしてその隣の2、3階部分は10月18日。共にアルデプロのHPで同日に売却したことがIRされている。
そして10月31日のIRでは、秋元オーナーの個人資産会社「ドラゴンパワー」からアルデプロが借りていた38億円の短期借入金が一挙にわずか3億円までに減少したと明らかにしている(この3つのビルに付けられていた38億円のドラゴンパワーの共同担保が抹消された)。
アルデプロの借金が減ることは悪い話しではない。
だが、見方を代えれば、後はアルデプロがもうどうなってもいいとばかりに、秋元オーナーが債権回収に勤しんでいるということだ。
しかも、その間に、秋元氏が債権回収したのはこれだけに止まらない。