アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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被害1500人、計300億円ーーあのタイ鉄鉱石投資「詐欺」に新事実(中)

 この連載 (上)で、首謀者と思われる丹羽時寛氏(52。下写真。ただし15年ほど前のもの)らの詐欺容疑が固いのは、彼らはタイの採掘関連会社「ONK」に対する鉄鉱石採掘事業への出資金名目で、日本人1500人、計300億円ともいわれる巨額を集めた時期、それに先立ち同鉱山はタイ王国法務省特別捜査局(DSI)に差押さえを受け営業していなかったことが新たに判明したからだと解説した
しかも、投資家に示したONKのタイ鉱山の権利証、掘削許可証は偽造であるようなのだ。
さらに、警察は1年ほど「配当金」名目で投資家にリターンがあったことを持って告訴受理に腰が重いようだが、そのリターン分も再投資させられているので、実質、リターンはゼロ。
おまけに、冒頭に示したように、「元本返金」、すなわち元本保証を謳っていたからなおさら投資家は出資したわけで、投資失敗による自己責任というわけにはいかない。
加えて、(上)で見た丹羽氏の下で勧誘をしていた「エイチエヌコーポレーション」の西牟田・内野両氏は投資家の元本返還請求に対し、「もう少し待ってくれ」と返金の意思を示していたのだ。
 こうした数々の事実を思えば、なぜ警察はこれだけの巨額投資詐欺疑惑につき未だ告訴を受理しないのか不思議と思わないわけにいかない。
もっとも、だからといってこの投資話、すべてが架空であったわけではない。
少なくとも見せかけのタイ鉱山は実在したし、タイ現地の「ONK」という会社は実在。そこに投資資金は実際に送金されていた(日本人勧誘者はキックバックを受けるのだろう)。ただし、そのONKの代表(現在は会長)に就いていたカリン・トンパチョーテ(現在80歳位)なる人物が丹羽氏らと共犯で、しかもこのカリン氏、タイ王族という。
日本人詐欺師と王族が組んでいると見られる点では、本紙既報のブルネイ国王甥っ子の重大詐欺疑惑と似ている。
ただし、事件としての筋はブルネイの方よりはるかにいい。

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