昨年4月、「オーロラ」(名古屋市中区。竹原虎太郎社長)が、バブル経済最末期の91年、当時の東京相和銀行(99年経営破たん。現・東京スター銀行)がVIP客接待のために駿河湾に浮かぶ無人島に建てたものの経営難に陥っていた高級ホテル「淡島ホテル」(冒頭写真。静岡県沼津市)の経営権を実質取得、しかし再建するといいながら、その一方で、同ホテルの既存会員に対し、開業の見通しが立たないオーロラグループの別のホテル会員権を販売したり、淡島ホテルと一体の関係にある「淡島マリンパーク」(こちらはオーロラの子会社に。淡島ホテルはあくまでオーロラが100%株主になったに過ぎない)の上場を謳いその株式を販売するなど詐欺紛いのことをしているのは本紙既報の通り。
淡島ホテルに対する債権者は約1000名、債務額は総額約200億円とも推定されるなか、オーロラは淡島ホテルを経営する同名株式会社から1株1円ともいわれる額で全株式譲渡を受け経営。そういうかたちなら、オーロラとしては200億円の債務は負う義務はないからで、結局のところ、オーロラは自分の知名度アップ、儲けだけのために経営していると見た債権者は怒り心頭だ。
こうしたなか、すでに「淡島ホテルを守る債権者の会」が発足(以下に詳細)。
その一方で、他の債権者7名が今年7月1日付で、淡島ホテルに関し、債権者破産手続き開始申立をしていることがわかった。そして、決定がなされる可能性が高いようだ。
もっとも、第三者破産が認められても昨年5月に出された淡島ホテルの「評価書」によれば評価額は4億2510万円に過ぎないのだがら返済はなされようもない。
では、なぜ第三者破産申立をしたのか?