アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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「音声テープ」入手――あの旧「真珠宮ビル」売買巡る暴力行為で5人全員処分保留になった理由

 本紙でも既報のように6月27日、警視庁組対4課は、不動産コンサルタントのC氏に対し「極道をなめてんじゃねーぞ!」などと脅したとして、指定暴力団・山口組系「弘道会」(名古屋市)幹部・梶田欣次、山口組系「松山会」(松山市)幹部・大石充安、坂上雅夫ら5名を暴力行為等処罰法違反(集団的暴行、脅迫)で逮捕した。しかし、逮捕から6日後、全員処分保留で釈放されている。
梶田容疑者の所属する「司興業」は、弘道会のなかでも、山口組トップ・司忍6代目の出身母体で、当局がこれ幸いに狙い打ちしたのは容易に想像がつく。現在、暴力団に人権などないに等しく、逮捕されたら最大拘留期限の20日が常識。まだ結論が出たわけではないが、それを6日で早々に釈放したということは無理筋で起訴は困難と見たからだろう。
実は、その結論を決定づけたのは、容疑者側がC氏を脅したとされる際の話し合いの席の会話を録音しており、それが証拠として出て来たからだった。
脅したとされる原因は、東京は新宿駅前の超一等地に建っていたあの旧「真珠宮ビル」(地下1階地上12階。=冒頭右写真。左は跡地の現在)を巡るトラブル。
山口組系後藤組の後藤忠政組長は、このビルの所有権登記を巡り逮捕、有罪判決を受けた(前出・坂上容疑者も)。また、このビルの管理をしていた者が白昼路上で刺殺されるという事件も起き、当局が必死で捜査を進めている。買い手がいま現在もつかないいわく付きの物件だ。
そのビルを、C氏は36億500万円で買う契約を結び(上写真=その契約書)、その支払い期限は10年8月31日だった。今回事件が起きたのはその8月31日。C氏が支払えないと言い出したことが契機になっていた。
もっとも、売り手側が意図的に「瑕疵物件」を売りつけようとしたわけでないことは本紙既報の通り。
では、何があったというのか?
入手した「音声テープ」を聞くと、その理由はよくわかる。また、そこに山口組系幹部が複数同席していた理由も見えて来たーー。
(以下にも、2つの内部資料転載)

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