民主党から小沢グループが離脱し、小沢新党の結成が秒読み段階に入り、「総選挙もいよいよ近い」と囁かれている。こうしたなか、「国政進出」を公言してきた橋下徹・大阪市長の動向が再び注目を集めている。
そこで、紹介しておきたい記事がある。
政治家・橋下徹の言動については、毀誉褒貶、さまざまな意見が噴出してきた。もちろん、「言論の自由」が認められる社会であるなら、当然である。ところが、橋下を熱烈に支持する一部の市民には、橋下批判を一切許さない「抗議行動」をおこなう傾向がある。
『AERA』の記事によれば、『朝まで生テレビ』に出演した帝塚山学院大学(大阪府)の薬師院仁志教授(社会学)が、橋下氏の政治手法を批判したところ、同大学に批判メールや電話が殺到したという。
その内容と言えば、薬師院氏の発言は、大阪市長選挙期間中と当選後の橋下氏の言動の矛盾を問うものであったのに、その論点には触れず「ただの揚げ足取り」「議論が建設的ではない」などと切り捨てるものが大半であったということだ。
そこで大学側が、「学問の自由」や「言論の自由」を盾に、薬師院教授を擁護するのが当然と思うのだが、その逆に、同大学長は薬師院氏を呼び出して「見解」を出すよう求めたと言うのだから、あきれた話だ。
薬師院氏は内田樹氏、香山リカ氏、山口二郎氏との共著で、『橋下主義(ハシズム)を許すな!』 (ビジネス社。2011年11月発売)という本を発行しているが、同書のなかで「橋下徹のやり口は、軍隊的官僚主義と脳天気極まりない市場競争経済主義の混合物である」と喝破している。