アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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原発の再稼動に揺れる町―福井県大飯郡おおい町ルポ

 5月5日、北海道電力・泊原発が稼動を停止、42年ぶりに日本のすべての商業用原子炉が稼動を停止した。この「原発稼動ゼロ」という事態を避けるため、野田政権は「新たな安全基準を満たしている」として関西電力・大飯原発3・4号機の再稼動を認める政治判断を下した。しかし、大阪市の橋下徹市長や京都府、滋賀県の両知事の再稼働批判、何よりも「福島第一の事故原因も究明できていないなか、なぜ再稼動を急ぐのか」との反対世論の高まりに追われ、再稼動はできずにいる。
そこで5月の連休中、再稼動問題に揺れる福井県大飯町を訪問し、「原発再稼動反対テント」のメンバーに話を聞いた――。
 JR「若狭本郷」駅を下車。70年代の原発設置にあわせて作られたという橋やトンネルを抜け、大飯原発に続く県道を進むと、小さな漁港が見えてきた。ここに4月6日よりテントが設置された。
県道に向けて「再稼動反対」の横断幕を掲げ、常時数人が泊り込み、町民へのビラ入れや住民説明会に対する抗議行動を展開してきた、という。
さて、テントで話を聞く前に、大飯原発に隣接する関西電力のPR館、「エル・パーク・おおい」に入館してみた。館内は意外に参観者が多く、家族連れの姿も目立つ。
 大飯原発は加圧式だが、3分の1スケールの原子炉の模型を使って、原子炉の仕組みを子供にもわかるように解説。職員が淡々と説明するが、その科学技術の粋を集めた原発の仕組みを聞いていると、まるで福島第一の大事故が起きなかったかのような錯覚を覚える。
 別のプロジェクターを使った説明では、「電源車を確保している」「炉心を冷やす体制がある」と万が一、全電源喪失に至っても大事故に至らないことを強調。しかし、福島第一の事故原因がまだ究明できていないなかで、そもそもどうして安全を宣言できるのか。「想定外」の放射能漏れ事故が起きた場合、拠点となる「免震棟」も、大飯原発には存在しない。事故の反省や教訓、といったものは微塵も感じられないPR館であった。
テントに戻って、メンバーに話を聞いた。
 大飯町にはこれまで、目立った原発反対運動はなかった。しかし、とメンバーは語る。「立地自治体ではみんな原発に賛成だというのは、メディアがつくった意図的なキャンペーンだ。テントで座り込む私たちに対し、住民からの反発もあるかな、と思ったけどまったくない。テント前の車道を、けたたましいクラクションを鳴らして通っていった車があったけど、それくらいかな」。

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