本紙が疑問との観点からウォッチしている、「国際医療福祉大学」(本部・栃木県太田原市)の高木邦格理事長を始めとする一派が医学部新設を目指す動きだが、既報のように、論理性を欠いているからどうにも盛り上がらない。
こうしたなか、厚労省と文科省は9月10日、地域の医師不足を解消するための方針「地域の医師確保対策2012」をとりまとめた。それによると、十分な教育環境が整っている場合には、13年度の医学部の定員を暫定的に1校126人以上(省令では125名以下)に引き上げるという。
近年、これまでもいろんな特例で定員を引き上げており、07年度に医学部全員で7625人だった定員は、12年度にはすでに8991人まで増えている。これは、医学部を11校新設したに等しい。
同方針には、今後も医学部新設についても検討していくと盛り込まれているが、とりあえず勝負あったという感じ。そして、医学部新設派にとってさらにショックだったのが、田中真紀子文相(冒頭写真)の例の3校「不認可」の“暴走”だろう。