5月7日、石井啓一国交相が記者会見し、「フラット35」につき、投資用マンション購入など、本来の対象(自宅用)ではないものに融資しているなどの不正疑惑があるとして、この長期固定金利型住宅ローンを提供する住宅金融支援機構に実態解明を指示したことは本紙でも既報の通り。
一方、国交省自身も7月5日から、「サブリース」投資案件につき、賃貸住宅管理業者約1万1000社や物件オーナーなどを対象に大規模実態調査を始めている。(冒頭写真=「毎日」7月4日)
サブリースを巡っては近年、不動産知識が乏しい者に対し、美味しい話を持ちかけ、投資したところ話と違ってほどなく月々の家賃収入より借入れ返済額の方が多い逆ザヤになる詐欺紛いの勧誘が多発しているとの見方もあるからだ。
本紙で取材してみたところ、シェア首位の「フラット35」とは別件ながら、わが国最大手の住宅ローン専門金融機関「アルヒ」(7198。東証1部。東京都港区)が関わる悪徳な勧誘事例が判明したので以下、詳細を報告する。
本紙が把握したのは、フリーターの20代女性のケース。仮にA子としておく。
A子は上昇志向が強く、都内で開催されている「高所得者向けパーティー」などに参加するなかで、何人かの紹介を経てアヒルの投資用マンション購入を勧める若手ブローカーKに出会う。昨年4月のことだ。
このK氏、首には金のネックレス、Tシャツ姿で一見半グレ風。A子はこのKに、将来の人生設計や日本社会の不安定につき言葉巧みに話され、それを補うものとして半ば強引に投資用マンション購入の勧誘を受ける。
しかしながらA子はフリーターで、年収は200万円台に過ぎない。貯金もまったくない。