村上ファンドの村上世彰氏はじめ複数の“著名人”が関わる上、水面下で政治的思惑もいろいろ蠢いている模様であることから、本紙が注目しレポートしている都心最大の南青山3丁目の地上げ物件――本紙は5月11日、この地上げ対象地の最後に残っていた5階建てビルに関し、「千寿」(千葉県船橋市。三輪洋治社長)なる有限会社の占有移転禁止仮処分申立を東京地裁が認める決定を出していたことがわかったと報じた。
関係者の話などを総合すると、この申し立ては5月6日になされ、その3日後(5月9日)には認める決定が。ところが、5月13日午後、東京地裁執行官が、現在、同ビルを所有するPAG+ゴールドマンサックス側から同ビルの引き渡しを受け、千寿側に同ビル使用を許すべく出向いたものの、すでに同ビル床の大半は壊されていた(冒頭写真)ことから仮処分執行は不能に。
これに関し、千寿は、少なくとも仮処分決定が出た時点ではまだ床はあったが、PAG側は仮処分執行を阻止する意図の元、仮処分決定の事実を知りながらあえて13日に執行官が来るまでの間に床を壊したとして刑法261条(器物損壊罪)、同234条(威力業務妨害罪)容疑で警視庁最寄り署に告訴したという。
これだけ聞けば、この地上げ攻防戦、ついには最後の最後でまた刑事事件化の可能性も出て来たわけだが、実際のところ真相はどうなのか?