下関市の日本海側沖合に建設が進む人工島「長州出島」(冒頭地図と写真)――この建設、今回の参院山口補選の安倍晋三首相の「直系候補」・江島潔氏(55)が市長に当選した直後の95年11月から進められて来た。
東アジアの日本海側物流拠点をここが担えば市の経済も潤うとして、すでに700億円以上(国が46%。残りを県と市が折半)が投じられ、出来た一部岸壁(240M)への入港が09年3月から始まっている。
しかしながら、入港した船の数は現在までのべ100隻にも満たない。おまけに、一番の狙いだった外貿コンテナ船はほぼ皆無。これではまったくの税金の無駄遣いではないか。
それにも拘わらず、江島候補が強引に自分の現役市長時にギリギリ一部開港にこぎ着けたこの人工島建設に関しては、同じ保守系とはいえ、江島市政を非難して09年3月に当選、現在、2期目を勤める中尾友昭市長も見直しをするどころか、推進している。
こうした巨額のムダと思える公共工事はこれだけではない。この人工島に通じる道路を整備しないと東アジアの物流拠点にはなれないとして国道(下関北バイパス)、県道のバイパス道路も建設。おまけにここに来て山本繁太郎・山口県知事始め「第二関門橋」建設まで叫び出し、その構想も俄に現実味を帯びて来ている。
これらですでに使われた税金は1000億円以上、第二関門橋建設となると橋梁だけでさらに2000億円、関連を入れて3000億円とも。
船1隻来てもらうのに10億円以上? ここまで来るともはや税金のムダ使いのレベルさえ越えているようにも思えるが、江島氏が建設着手をためらわず行ったのは背後に安倍氏がいたからなのは容易に想像できる。そして近年、市民の間では安倍氏は他の狙いもあって進めているのではないかとの声が大きくなって来ている。
軍港としての利用のためというのだ。
(上右写真=安倍氏の地元自宅)