消費者側に立たねばならない野田聖子消費者行政担当相(冒頭右写真)が、その対立軸にいるマルチ類似商法の大手「日本アムウェイ」(東京都渋谷区)にパーティー券を購入してもらっていた件が発覚し、問題になっている(同左写真=「毎日」10月17日夕刊)。
だが、はるかに問題なのは同記事にも書かれている96年4月、野田委員(当時)が衆院商工委員会で行った発言の内容だ。
野田大臣は先手を打ち、「勉強不足だった」「業界擁護ということではなかった」などと言い訳している。だが、この96年4月といえば、さらにマルチ商法(連鎖販売取引)の規制を強化すべく訪問販売法改正が審議されていたまさに渦中の時期で(96年11月に改正法施行)、同委員会はその専門。しかも当時、最大手だった日本アムウェイは、実態はマルチ商法であるにも拘わらず、そうでないと主張し、マルチ商法に見合った書面を交付せず、規制逃れを行っていた。
野田大臣は「業務停止を受けるような会社ではない」と弁明もしているが、そういう意味では確実に“悪質な会社”だった。
当時、本紙・山岡はこの日本アムウェイから、マルチ商法と名指ししたことが名誉毀損に当たるとして次々と訴訟提起され、訴訟の真っ直中だった。ただし、すでに95年12月の段階で、東京地裁はマルチ商法に該当するとして、名誉毀損に当たらないとの判決が出ていた。アムウェイは控訴したが、その他の訴訟分も含め、その後、山岡側がすべて勝訴した。(上写真=「週刊朝日」99年2月26日号。4頁)
また、97年11月、国民生活センターの理事長が国会で、日本アムウェイに関する相談・苦情がダントツに多いと証言。98年5月には相談・苦情が減らないとして国センはアムウェイに文書で異例の「警告」をしている。
そして日本アムウェイが自ら店頭公開(当時)を取り止めたのは99年9月のことだ。