人材派遣大手「グッドウィル・グループ」(現ラディアホールディングス)が2006年11月、最大手の人材派遣会社「クリスタル」(京都市)を買収したのは、まだ記憶に新しいだろう。
詳細は後述するが、この買収は直に行われたものではなく、「人材サービスファンド投資事業有限責任組合」(東京都港区)と「コリンシアン投資事業有限責任組合弐号」(同。冒頭写真図=当時のグッドウィル公表資料、では人材サービスファンド、コリンシアファンド略)という秘匿性の高い2つのファンドを通じて行われた。そのファンドを主宰したのは、「日経」報道(17日朝刊。下写真記事)では伏せられているが、中澤秀夫氏という公認会計士だった。
その中澤氏の脱税容疑が強まったとして、東京国税局は16日、所得税法違反(脱税)容疑で強制調査に着手したという。
実は以前から、この買収の不可解さに関しては一部で指摘されており、本紙も中澤氏の履歴などを踏まえ、何度か報じていた。