今回の官製談合疑惑の概要は、本紙過去記事をご覧いただきたい。
その山口県下関市内に「プラウド」(写真左)という会社がある。
設立は約10年前。汚水処理装置の製造・販売会社である。
だが、失礼ながら、たいした技術力はない。このため、大口受注はこれまで皆無。この数年の同社売上げ高は数千万円に過ぎず、すでに債務超過に陥っていた。
そもそも代表は、地元のふぐ料理店「エツヒロ」社長。汚水処理とは縁がなかったのだから無理もない。
結果、山口県が保証していた社債が返還不能となり、その代弁代金7000万円を今後、県に返済していかなければならないような状況だった。
ところが、詳細は追って報告するが、このプラウドは今年に入って下関市から約4億円の大口受注に成功、危機を脱した。
そのため、地元では江島潔下関市長(写真右)とタダならぬ関係にあるのでは、と見られているのだが、この受注に先立つ2005年8月、やはり関係者が首を傾けざるを得ない出来事が起きていた。
このプラウドに対し、突如、地元の大証2部上場企業「原弘産」から3000万円の融資が実行されたのだ(以下に、その契約証書を掲載)。
同社の年間売上高に匹敵する額なのだから、これでプラウドがとりあえず一息つけたのは間違いない。
だが、それにしてもなぜ、原弘産はこんな実績もない、危ない企業に融資を行ったのか?