約3年半前の設立ながら、「株専のエイケイ」で知られ、仕手筋御用達としても兜町関係者の間で有名だった「エイケイ証券」(=冒頭写真。東京都中央区)が今年3月16日から自主休業している。
期間は3カ月とされるが、その後、廃業を決定している模様だ。
サブプライムローン問題に端を発する世界同時不況は証券業界も同様だが、同証券の休業事情は他にもあるようだ。
「エイケイは証券取引所非会員のため、株式売買は会員証券会社を通さなければならない。ところが、株式売買を巡る不祥事が続くなか、非会員の売買申込みを制約する基準が施行された結果、営業がスムーズに進まなくなった。それでY証券との合併も検討されたんですが、当局から非会員との合併は認可されないことが判明した。また、当局側と相談した結果、保有する顧客は顧客の意思で証券会社を選べるので、エイケイが意図的に特定の会社への移行を指示しない限り、当局は関知しないとの言質をもらったそうです。そこで作業を進めており、5月15日まにでは必要な処置は完了する予定だそうですよ」(大手信用調査会社中堅幹部)
上品な言い回しだが、「一般の証券会社には、仕手筋や事件屋の“ブラックリスト”みたいなものが出回っており、そこに記されている者は、たとえカネを持っていても口座を開かせないんです。そうしたなか、来る者拒まずだったのが、丸大証券出身のA氏がオーナーのエイケイ証券だった」(事情通)というわけだ。
あかさまにいえば、そのため、当局に目を付けられ動きが取れなくなったというのが真相だという。
実際、同証券が顧客の信用取引にために担保に取った株券を見ても「バナーズ」、「ジェイ・ブリッジ」、「オープンインタフェース」など訳ありのところが多い。
一方、有名な顧客を何人か上げると……。