少し前だが、月刊誌『ZAITEN』(旧財界展望)7月号が「名義貸し社外取締役」という特集を組んでおり、そのなかの「社外取締役『官僚OBの新天下り先196社リスト」のなかに原田明夫元検事総長(冒頭写真)を見つけたので、以下、拙評を述べたい。
2002年4月22日、<鳥越俊太郎のザ・スクープ>で、検察の調査活動費は全額裏金に回っていることを告発しようとしていた、当時、大阪高検公安部長だった三井環(横写真)は、直前に大阪地検特捜部により微罪で逮捕された。検察にとって最も触れて欲しくない問題故、口封じされてしまった。この三井逮捕という検察の不当行為に裁判所は助けの手を差延べ、三井は1年8カ月の有罪が確定した。
「法務検察と裁判官が一体となった裁判の典型例であった」と三井は後に論評している。2010年1月18日に三井は静岡刑務所で刑期をまっとうし、『週刊朝日』編集長等の出迎えを受け、自由の身となった。不当な収監に加え国家権力の卑劣な報復として、弁護士資格の剥奪(兵糧攻め)も受けたが、不屈の三井は神戸の実家を離れ、東京で<市民連帯の会>を立ち上げ、数々の永田町、霞が関の犯罪を告発し、他に著作、講演等々で検察庁、裁判所の不当・不法行為を精力的に追及し続けている。最近も猪瀬直樹元都知事、舛添要一知事、渡辺善美代議士、福島県の除染対策事業巡る談合事件を告発。「命ある限り闘う」と。
一方、三井逮捕を指揮し、検察庁の裏金犯罪を必死で隠蔽しようとした当時の検事総長・原田明夫は、