本紙で何度も報じて来たこの疑惑に関し、市民団体「小さな風からの会」(浜砂省三会長)が下関市(江島潔市長)に対して契約の是正などを求めた住民監査請求に対し、下関市の監査委員は11月2日、「談合の事実は認められない」として請求を棄却した。これに対し、浜砂会長は監査は大甘すぎると絶句し、近く住民訴訟を起こすとしている。
浜砂会長が絶句するのも無理はない。
何しろ、現在、この疑惑のし尿処理場建設を受注したクボタも、公正取引委員会から談合の疑いで立ち入り調査を受け、結果待ちの状態なのだ。それに先立ち、結論を出した監査委は市の担当者15名と、問題施設の入札から意図的に外されたと主張していたメーカーA社幹部1名の事情聴取を行っただけ。肝心の落札したクボタを含む、入札参加メーカー側からは一切事情を聞いていないのだ。
だが、本紙が監査委はお粗末過ぎるとする理由はこれだけではない。