安倍晋三首相は1月5日から6日まで1泊2日で、山口県下関市に地元入りしていた。(冒頭写真=「産経」1月7日山口版より)
首相の地元入りは昨年8月以来約5カ月ぶり。
妻・昭恵氏、母・洋子氏と共に、5日午前9時過ぎに山口宇部空港から入り、翌6日午前中までは下関市内で主に後援会関係者回りと神社参拝。6日午後に長門市に移動し安倍家の墓参りなどして夜の便で再び宇部空港から帰京した。
この間、後援会会合で日露平和条約締結や北朝鮮拉致問題の解決に向け、「戦後日本外交の総決算に挑む年にしたい!」などと意欲を示したのだが、後援会の若手関係者との会食に北朝鮮系飲食店を使ったことに、地元関係者の間では反発、あるいは「なぜ!?」と訝しがる声も出ている。
拉致問題については、02年の5名帰国以降まったく進んでいないのはご存知の通り。加えて、昨年末に韓国海軍駆逐艦によるわが国海上自衛隊哨戒機に対するレーダー照射問題が起きたが、この件はそもそも北朝鮮漁船を韓国側が救出しようとしてのことで北朝鮮がここでも関わる。しかもこの問題に関し、安倍首相は防衛省の反対を押し切り先月28日に映像公開したとされ緊張状態が高まっていたまさに渦中なのに、というわけだ。
その北朝鮮系飲食店とは、JR下関駅に程近い焼肉店「ばか盛屋」(横写真)。
新聞の「首相動向」によれば、安倍首相、昭恵夫人は5日午後6時55分から小一時間、同店で後援会若手関係者とここで食事している。
前日の4日には、韓国側がレーダー照射問題で反論の動画を公開。さらに緊張が高まっていた。
「むろん、『首相動向』に北朝鮮系とは書かれていません。しかし、在日が多い地元では北朝鮮系というのはよく知られた事実。その後、安倍首相夫婦は帰省時によく使う韓国系焼肉店『やすもり』に移動していますが、韓国系の人だって『ばか盛屋』は利用しません。
あそこは朝鮮総連系幹部御用達。会食した若手関係者の間には当然、北朝鮮系の者もいたことでしょう。それに東京からついて来ていた首相番記者は『やすもり』の前では張り付いてましたが『ばか盛屋』の時はノーマークだったのも不自然。
『ばか盛屋』に集ったのは『同志会』、『やすもり』の方は『晋緑会』という後援会関係者ですよ」(関係者)
安倍首相の動向に詳しいこの関係者によれば、この「ばか盛屋」は、地元焼肉店では「やすもり」と並ぶ有名店だそうだが、安倍首相は役職に就いていない時に「ばか盛屋」は1、2度利用しただけで、よりによって首相時、しかもこんな緊張状態時に偶然に利用するわけがないともいい訝しがる。
ちなみに、「ばか盛屋」という店名は、まだわが国社会が貧しかった創業時、先代店主が、バカなほど大盛りで提供する店のモットーから名付けたという。それは「やすもり(安盛)」も同様とのことだ。
一方、別の関係者は、
「この時期の帰省はいつも2~3泊。それに、まず長門の墓参りしてから下関入りするのが定石だが今回は逆。何か事情があるのか?」
とも訝しがるのだが……。
ところで、本紙が昨年6月にスクープした安倍首相の地元・下関市の選挙妨害疑惑ーーその告発をした小山佐市氏対策と思われる厳重警備がこの間、安倍首相、昭恵夫人の帰省の都度、敷かれていたわけだが、事情通氏によれば、「今回帰省に伴う警備はゆるゆるでした。少なくとも小山氏は今は市内にいないことがわかっているからか、居てももう問題ないと判断してのこととしか思えません」
と感想を漏らす。
なお、安倍首相の有力スポンサーは在日の者が多く、下関市の自宅は「パチンコ御殿」などと呼ばれている。その件はこちらの本紙過去記事をご覧いただきたい。(上写真=「週刊ポスト」12年10月26日号記事より。永本壹柱氏と。08年6月に撮られたものという)