アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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あの黒幕・青山清利氏が、今度は米国アメックス上場企業のわが国コールセンター子会社を解体(続き)「エープラス」という会社の正体

 この連載1回目で、「青山清利」なる人物が、経営不振の上場企業や、米国アメックス上場企業子会社「グローバルホットライン」(東京都新宿区)に高利のカネを貸し付け暴利を得ているだけでなく、グローバル社に至っては会社資産を吸い尽くそうとしており、事件化の様相を見せているそのごく概要を報告した。
もっとも、青山氏は基本的に表に出ない。黒幕と言われる由縁だ。
では、なぜ、グローバル社の件では、青山氏が関与していると言えるのか。
連載1回目に、法定以上の金利を取っているが、それを誤魔化すため、グローバル社と「関係会社との間に架空の業務委託契約書を結ばせ」ている手口を紹介したが、その関係会社とは具体的には「エープラス」(東京都渋谷区。冒頭写真は入居ビルと、会社名表示の掲示板)なる会社を指す。
企業の文書作成、発送業務などを代行することを目的に約1年前に設立されているが、同社の過去の社長に「菊地悦子」氏の名前がある。
本紙既報のように、青山氏は「ベネット」(東京都港区)なる会社を通じ、当時、上場していた「トランスデジタル、「タスコシステム」「春日電機」に融資をしていたわけだが、そのベネットの代表者も菊地悦子氏なのだ。
これが同姓同名の別人でないことは、大手の企業信用調査会社のエープラスに関する報告書を見ても明らかだ。

「当社(エープラス)前代表であった菊地悦子氏についての経歴は、同氏は平成19年8月付けでべネット(平成20年12月頃より事業活動を行っていない模様)代表に就任、その後の平成20年12月に当社代表へ就任している。当社及びベネットの間における出資関係他については判明しないが、ベネットは平成19年8月に設立され、当社と同様に管理業務のアウトソーシング受託他を事業内容としていたようだ」「『春日電機』(元東証2部上場)が平成20年11月11日付けで発表した『主要株主の異動に関するお知らせ』において、異動が生じた経緯としてベネットの名前も登場している」
要するに、青山氏は菊地氏などを使って、アウトソーシング請負のダミー会社を次々と設立し、闇金利の取立に利用しているようだ。そして、グローバル社のある関係者はこう漏らす。
「菊地氏は青山に借金があり、やむなくダミー会社に名前を貸しているとの情報もあります。グローバル社との関係では息子も手伝っていますよ」
その息子・菊池浩介氏は、阿南英樹前社長ら以前の経営陣追放後、グローバル社社長に就いている人物。昨年9月のことだ。
また、グローバル社の某元社員は資料提供をしてくれ(上右写真)、こう解説する。
「この写真は、青山側が作成した内部資料の一部です。乗っ取りを合法的に見せ、順次、資産を収奪するためのタイム・スケジュールが、担当者名などと共に書かれている。そのなかに『青山+コンサルフィー⇒金消作成』とあります。これは『エープラス』を金銭消費貸借契約書の作成、すなわち違法金利取りのための契約に利用しようという意味でしょう」
こうした事実などから、すでにこの10月7日、グローバル社の親会社、米国アメックス上場企業=「IA Global」 は現グローバル社並びに菊池浩介代表らを相手取り、グローバル社の株式返還を求める訴訟を東京地裁に提起しており、その「訴状」にはこんな記載もある。
「訴外青山は訴外エープラスの実質的なオーナーであるところ、訴外青山が首謀し(略)利息制限法所定の上限を超過した利息を収受する目的で……」
さらに、この提訴に先立つ9月29日に出された「通告書」(上左写真)には、こんな記述もある。
「貴社(現グローバル社)の実質的なオーナーである青山清利氏(これまでの交渉経緯から考えて、青山氏が貴社の実質的な経営者であることは明らかである)、エープラスに対し、出資法違反、貸金業規正法違反、公正証書原本等不実記載、窃盗罪その他の刑事告発及び民事上の法的手段を準備中であることを通告する」。

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