この連載(1)から(3)で、みずほ銀行詐欺事件・及川幹雄被告の「陳述書」(冒頭写真)を掲載したが、これだけではなぜ、及川被告がこのような「陳述書」を書いてくれたのか、また、この「陳述書」がどれほどの意味を持っているのか説明不十分ということで、本紙・山岡はこの及川被告「陳述書」を補う「陳述書」を書いていた。
掲載が遅くなったが、それをここに転載する。
及川被告「陳述書」の(1)、(2)、(3)をお読みいただき、その後で、あるいは、先にこの山岡「陳述書」を読んだ後で、改めて及川被告「陳述書」に目を通していただくと、その内容がよく理解いただけると思う。
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及川幹雄被告(52)はみずほ銀行の元支店長、元本店審査役という幹部行員でした(2012年9月懲戒解雇)。
しかしながら、自分の個人的借金返済のため、本店の応接室を使うなど、みずほ銀行の信用を最大限利用し投資詐欺を働いた事件で昨年3月に逮捕され、同9月に懲役7年の一審判決。控訴するも今年3月1日控訴棄却となり、現在上告中の身です。
私と及川被告が知り合ったのは一審保釈中の昨年12下旬です。
先の及川被告の投資詐欺話で被害者の1人とされる佐藤昇(横写真)ですが、実は及川被告の犯罪の事実を知り、暴力団関係者などと組み脅したり、他の暴力団関係者の脅しから守ってやるなどといって、逆に数億円のカネを脅し取っているとの情報提供が関係資料提供(及川被告の陳述書に添付の資料も含む)と共にあり、また、私は相当数の関係者にも取材し、結果、それが事実であると確信を持ち、昨年4から5月にかけ5回の記事を本紙「アクセスジャーナル」で出しています(資料①~⑤)。
拘留中は親族以外は会わないといわれ、保釈になったと聞き、再度、担当弁護士の知り合いの仲介でようやく会えたわけです。
そして、及川被告に尋ねたところ、やはり佐藤は及川被告を脅し金銭を取っていたことが判明。それで今回、陳述書を書いてもらったわけです。
及川被告の詐欺は2010~12年にかけて行われ、1人25億円以上といわれる被害者がいるともいわれ、他の者もほとんど1億円以上なので総被害額は50億円ともいわれますが被害者数は数十人程度で、ほとんどが富裕層と見られます。ただ、そのなかには裏ガネの運用者など被害を訴えられない者が相当数いる模様で、実際に訴えているのは私が把握しているのは9人(資料⑥)です。また、みずほ銀行の投資詐欺話というものの、実際の金銭のやり取り時の書類の署名・捺印はみずほ銀の及川被告ではなく及川被告個人(記載住所も自宅)、それも投資資金ではなく金銭消費貸借のかたちをとっていました(資料⑦=下写真)。また、被害額50億円とも見られるといっても、前出・被害届の9人の投資総額を見ると約10億6000万円に対し約4億円は返済していました(資料⑥と同=下写真)。
こうしたこともあり、最初から筋の悪い案件といわれ事件化しないと見られていました。
ところが、警視庁が動いたのは、