主力業務である商品先物取引からの撤退が上場廃止基準に該当することから、すでに11月1日の上場廃止が決定している「グローバリー」(本社・名古屋市。名証2部)。上場廃止だけでなく、企業そのものの存続さえ危ぶまれているのだから、アテネ五輪マラソンの金メダリスト・野口みずき選手を擁する同社陸上部が廃部になるのは当然のことだろう。 というわけで、現在、野口選手は移籍先を探っているが、まだしばらく時間がかかりそうだ。 つい先日のベルリンマラソンでも優勝した彼女だから、彼女一人だけなら移籍はすぐにも可能だろう。しかし、10名の選手、スタッフ6名の計16名の陸上部関係者まるごと移籍となると、そう簡単ではない。 「それだけではない。グローバリーは京都に何とも豪華な陸上部施設を設けている。土地込みでその価値は10億円近いともいわれる。その買い取りも込みで打診しています。そこで、買収に意欲を見せている企業は、それならもうややこしいから企業ごと数十億円での買い取りも当初は検討していた。候補は外資系を含め、数社あります。しかし、結局、上場廃止で企業価値は不動産以外、皆無に近いことがわかり、現在は京都の施設買い取りを飲むかどうかで検討されていると聞きます」(関係者) この陸上部施設、日本一ではないかと見られるほどの充実さとのこと。 だが、これはグローバリーがそれだけわが国の陸上発展に理解があったというより、社長がタニマチを気取ってポンとそれだけの資金を惜しみなく出すほど、解約に応じないなど悪質な違反が相次ぎ、上場廃止に到ったほど、この企業はあくどい商売を続け、あぶく銭を稼いでいたと理解すべきではないだろうか。 地元・愛知県警警察官との癒着も指摘されるなか、当初予測より遅れてはいるものの、いよいよ複数の同社幹部逮捕が行われると聞く。…