本紙は05年5月29日号で、パシコンの荒木民生代表のファミリー企業「パシフィック・テレコム」(PTC)は倒産直前、不可解な増資を何度も行い、計約9億円も集めていた事実を報じている。破産管財人も「商法違反の可能性」と報告書に記しているほどだが、しかし、倒産した以上、もはや騒いでも無駄と諦めたのか、株主が刑事告訴したという話は聞かない。
だが、最近になり、この増資とは別件で、刑事告発(告訴でないのは、投資後、死去した人物の相続人が訴えたため)されていたことが判明した(冒頭写真はその告発状コピー)。容疑は詐欺並びに出資法違反。告発されたのは荒木代表(当時、PTCの監査役)、荒木代表の次男・明夫氏(同取締役)、もちろん、PTCの代表だった長男・謙氏も入っている。
そして、謙氏が訴えられたのはPTC代表としてだけではない。「タイツーコーポレーション」(以下、タイツー社略)なる団体の代表としてでもあった。
このタイツー社は98年3?5月にかけ、年利10%という高利回りを謳って49名から総額1億7500万円を集めた。PTCは安価な国際電話サービスを行っていたが、それを日本・台湾間でも行うとし、そのための設備投資資金を募ったものだった。